データベーススペシャリストとは?資格の概要・出題形式・合格のポイントを解説

 2021.05.19  株式会社システムインテグレータ

TSC

データベーススペシャリストはIT関連の資格のなかでも特に知られているもののひとつで、2016年には大ヒットドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の登場人物が所持していることでも話題になりました。

本記事ではデータベーススペシャリストの概要や出題形式の他、試験対策で特におさえておきたいポイントを解説します。

データベーススペシャリストとは

データベーススペシャリストとは、情報処理推進機構(IPA)が行っている情報処理技術者試験の一つで、データベースの専門知識が問われる国家資格です。

対象者はデータベースに関する専門知識を活用してシステムの企画・要件定義・開発・運用・保守に参画する技術者とされています。データベース管理者やインフラエンジニア、アプリケーション開発者、及びそれらを目指している人に特におすすめの資格です。

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試験の日程・出題形式

情報処理技術者試験は春(例年4月の第3日曜日)と秋(例年10月の第3日曜日)の年2回開催されますが、データベーススペシャリスト試験はそのうちの秋のみ受験可能です。スキルレベル4試験で問題が共通の午前1・午前2、データベーススペシャリスト独自問題の午後1、午後2を一日で受験します。

形式は午前試験が択一式、午後試験が記述式です。すべての試験の合格基準点は100点満点中60点となっています。

そのほか試験時間や出題数などの詳しい情報は情報処理推進機構のWebサイトにてご確認ください。

試験の難易度

データベーススペシャリストは4段階で設定されている難易度のうち、最上位のレベル4に位置づけられている試験です。

令和2年試験の合格率は15.8%(レベル1ITパスポート試験の令和1年合格率は54.3%)で、情報処理技術者試験の中でも難易度が高いもののひとつです。

参考までに、合格当時の筆者の前提知識・スキルと学習時間、学習方法は以下の通りです。

【筆者の前提知識・スキル】

  • Webエンジニア3年目
  • 基本情報技術者・応用情報技術者・情報セキュリティスペシャリスト取得済み
  • 業務でSQLを書くことがある
  • データベース設計の経験はほぼなし

 【筆者の学習時間】

  • 180時間程度(平日12時間、土日合わせて5時間を3ヶ月)

 【筆者の学習方法】

  • 参考書を一度通読し、その後は過去問を解いて間違えたポイントを再度参考書でチェックすることを繰り返す
  • 通勤中の電車内では試験対策のポケットブックを読む

合格のためにおさえておきたいポイント

以下では、データベーススペシャリスト試験において確実に覚えておきたい、対策しておきたいポイントをいくつかご紹介します。

合格のポイント1 概念データモデル・関係スキーマとキー

午後1で必ず出題されるのが、システム要件をもとにデータベースの論理設計を行う問題です。この問題では一部が穴あきになっている概念データモデル、関係スキーマを完成させます。論理設計問題の攻略のためには、過去問を繰り返し解くことが重要です。実際の試験問題に触れることで、問題文から必要なデータ項目やデータ同士の関係を読み取ることに慣れましょう。

また、関係スキーマの穴埋めではどの属性がキーになるかを特定する必要があります。「〇〇で識別する」といった問題文中でキーになる属性について述べる際の決まり文句がありますので、訓練を重ね、パターンを頭に入れれば自信を持って解けるようになります。

合格のポイント2 正規化

近年午後試験で正規化そのものが問われることは少なくなっています。しかし、前述の関係スキーマを完成させる問題を解くためには、適切な正規化を行う必要があります。第三正規形までの正規化は確実に出来るようにしておきましょう。

また、午前試験では表が第何正規形か選択する問題や、非正規形の表の正規化後の形を選択する問題がよく出題されます。これらの問題も確実に正解できるように過去問をチェックしておくとよいでしょう。

合格のポイント3 SQL

午後1試験では空欄を穴埋めしてSQL文を完成させる等、SQLに関連する問題がほぼ毎回出題されます。SQL問題で得点するためには、まずは基本構文をしっかり覚えることです。ORDER  BYGROUP BYHAVINGなどの使い方を頭に入れ、問題文で示される要件通りのデータ操作が出来るようにしましょう。

また、表の結合はSQL問題のなかでも出題頻度が高いです。内部結合、外部結合それぞれのSQL記述方法と、結合の結果表がどのような形になるかをおさえておきましょう。

ブログ:UPDATE文(SQLを基礎から学ぶシリーズ)
ブログ:INSERT文(SQLを基礎から学ぶシリーズ)

合格のポイント4 トランザクション

データベース運用に関する問題では、トランザクションについての知識が問われることがあります。

まずは、リレーショナルデータベースのトランザクション処理に求められる要件である「ACID特性(原子性・一貫性・独立性・耐久性)」の意味するところを覚えておきましょう。ACID特性を理解することで、更新の際の排他制御や障害の際の回復を問われたときに、「この特性を守るためにはどうすれば良いか」という観点で考えて正解を導き出すことができます。

特にバックアップからの回復や更新時のロック/ロック解除は過去数度出題されていますので、過去問をチェックしておくと良いでしょう。

まとめ

データベーススペシャリストは情報処理技術者試験の中では難易度が高い試験です。一方で基本的な知識が頭に入っていれば確実に得点できる問題が多く、地道な勉強の成果を発揮しやすい試験でもあります。

ぜひこの記事も参考にして学習のポイントをおさえながら対策し、合格をつかみ取ってください。

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