昨今の情報化社会の中で「データベース」という言葉を色々なところで耳にすると思います。しかし、データベースとは実際のところなんなのか?どういったことができて、どんなことに使われているのかをちゃんと学べる機会は、実は少ないのかもしれません。
そこで本記事ではデータベースの概要や役割、企業内での活用例などをご紹介します。データベースを知ることで、データの集合が「新しい可能性を発掘する場所」であることがお分りいただけるでしょう。
データベースとは?
まずはデータベースの大まかなイメージを持てるようになりましょう。
データベースとは、あるルールにしたがってまとめられたデータ群のことです。
身近なものだと、スマホの電話帳が該当します。電話帳を見てみると、「名前」「よみがな」「電話番号1」「電話番号2」「メールアドレス」「所属」などの情報が連絡先ごとにまとめられています。
電話帳はあいうえお順やアルファベット順で並び替えされていて、どのあたりに目的の連絡先があるのかが簡単に分かるようになっています。しっかりデータベースにすることで、目当の情報がどこにあるのか探しやすくなるのはデータベース化のメリットの一つです。
また、スマホの電話帳には検索機能が付いているものが大半でしょう。検索機能が使えることも、データがあるルールに基づいて整理されているからと言えるので、データベース化するメリットになります。
データベースでできること
それでは、データベースを使ったら何ができるのかについて、整理して見ていきましょう。
Webサイトやアプリケーションを作れる(作るのに必須)
基本的にどのWebサイトやWebアプリケーションにもデータベースは使われています。
ECサイトでは商品情報や在庫状況、売上履歴、顧客情報がデータベース化されていますし、ブログサイトでもタイトルや記事、管理ユーザなどの情報がデータベースになっています。
「保管しておく必要があるデータが存在するアプリケーション」にはデータベースは必ず必要になります。
簡単な業務効率化プログラムの作成に使える
自分の仕事の中で、同じことの繰り返しをしているなと感じる作業があったら、それは自作ツールで業務効率化を図れるかもしれません。
筆者の場合は、仕事ではありませんが、株の値動きの動向をcsvからデータベースに落とし込み、独自の解析方法で次の株価を予想するツールを作成しました(儲かりませんでしたが...)。
初めはcsvのデータをそのまま使い、データの取り込みや解析も手動でやっていたので手間でしたが、最終的にはcsvダウンロード→データ取り込み→解析→株価予想まで全て自動化できました。
こういったツールを作る際にもデータベースは使われます。
データベースの運用目的
次にデータベースの運用目的について見ていきましょう。
先ほども少し触れましたが、情報をデータベース化する理由の1つに「①データを探しやすくすること」があります。
そしてデータベースの目的のもう1つは「②データを保管しておくこと」そのものです。現代はテクノロジーの発展が目覚ましく、ビッグデータを使ってビジネスに役立てる企業も増えています。
例えば、100円寿司チェーンのスシローでは、全ての寿司皿にICチップを入れ、レーンに流れる寿司の鮮度や売り上げ状況を管理し、どんな寿司がどのテーブルで注文されたかなどのデータを毎年10億件以上データ収集し、マーケティングに役立てているようです。
ビッグデータから価値を生み出せるようになり、データベースの役割は益々増えていくと予想できます。データを適切に保管し、「③検索・抽出・集計することで、ビジネス上の課題や機会を見つけ出すこと」も、データベースを使う目的の1つといえそうです。
企業内での活用例
最後に企業内でどのようにデータベースが活用されているかの例をいくつか見ていきましょう。
薬品卸売企業の商品・在庫・入出庫管理
院内で使用する薬品や一般品などの卸売業では、各拠点に巨大な倉庫を保有しており、その中で多種多様な商品を取り扱っています。それぞれの商品や在庫状況、入出庫管理情報は基本的に全てデータベースに保管されています。その入出庫状況からメーカーへどれくらい商品を発注するかを計算して「自動発注」させたり、商品の在庫状況を確認しながら出荷作業や棚卸作業を実施したりすることができます。
CRMとしての活用
CRMとはカスタマーリレーションシップマネジメントの略称で「顧客を中心とした利益最大化マネジメント」のことです。ただ、最近ではCRMといえばその目的を達成するためのITツールという見方が強くなっているようです。
顧客情報や取引実績、意見・要望、顧客との接点などをデータベース化し、独自のツールで分析することで経営戦略に役立て、顧客満足度を高める効果が期待できます。
例えばナノ・ユニバースというアパレル系セレクトショップでは、元々顧客情報とポイント情報がバラバラに管理されていました。そこにCRMを導入することで2つの情報を統合し、実店舗とECサイト間でのポイント連携が可能になり、顧客満足度を向上させることに成功しています。
データを適切に運用することで、よりデータベースからの恩恵を受けられるようになった好例ですね。
まとめ
ここまで読んでいただいて、データベースとはただデータを保管しておくだけのものではなく「新しい可能性を発掘できる場所」でもあることをご理解いただけたかと思います。あらゆる情報が氾濫しており、どこに何の情報があるのかが分からなくなりがちな現代社会において、情報をルールに乗っ取って整理する技術はなくてはならない存在です。
データベースと管理ツールは無料で提供されています。使い方をぜひ覚えてみてくださいね!