クリエイティブシンキングという思考方法をご存知でしょうか?
クリエイティブシンキングは商品開発などを行う際によく活用されるフレームワークです。最近ではクリエイティブな仕事(創造的な仕事)を実現するため、さまざまな業界で積極的に取り入れられています。
クリエイティブシンキングの概要や活用例についてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
クリエイティブシンキングとは
クリエイティブシンキングとは、「枠組みに関係なく自由に発想すること」を意味します。別名は拡散思考です。
この考え方では、事実や正確さを重視して考えるのではなく、楽しさやノリ、直感性を大事にします。そのため、大人よりも子供のほうが得意とする思考方法ともいえるかもしれません。
ロジカルシンキングとの違い
対照的な考え方にロジカルシンキングがあります。ロジカルシンキングは、事実や正確さを重要視して論理的に物事を考える思考方法です。
大きな違いは、何を重視するかです。ロジカルシンキングはファクト(事実)を重視する一方、クリエイティブシンキングは感性を大切にします。両者はまったく異なる考え方で対照的であると言っても差し支えありません。
クリエイティブシンキングを行うメリットとは!?
次に、この思考方法を使うことでどのようなメリットを得られるのか解説します。
時代のニーズに合わせて考えられる
時代のニーズに合った発想ができます。事実やデータをもとに物事を考える場合、“過去の結果”を自然と優先させることになるでしょう。なぜなら、事実は過去に生み出された真実であり、データは過去に集計された何かの結果だからです。
しかし、時間が進むように時代も刻々と変化します。以前は当然であった考え方が今では時代に適さない考え方になっていることがあるように、その時々で適切な考え方は異なるでしょう。データや事実をもとに導き出されたものは、過去の結果を反映させた考え方になるため、時代遅れになってしまう可能性もあります。
一方、クリエイティブシンキングは、ファクトよりも直感を大切にする考え方です。事実にとらわれることがないため、現実離れの発想になることもありますが、時代に遅れる心配がなく、未来を予測した創造ができることもあります。
新しい視点で物事を考えることができる
新しい視点で発想できることもメリットです。正確さではなく、楽しさや直感が重視されるため、「完璧な正解はない」という考え方で物事を創造します。これにより、正しい見方ではなく、新しい視点で見ることに重きが置かれるため、別角度から物事を考えることができるようになるでしょう。
自由な発想が可能に
最大のメリットは、フリーダムな発想です。ルールややり方などに従って発想しないため、そのような事実をすべて排除し、自由に物事を考えることができます。これにより、「分析することを優先しない」、「正確さよりもアイディアの幅を大事にする」、「想像力を発揮する」など、ロジカルとは異なった創造を行うことが可能です。
クリエイティブシンキングの活用例
新商品開発で活用!
1つ目の活用例は、新規の商品開発です。商品開発をするときは、さまざまなアイディアを打ち出すことが重要になります。数多くのアイディアから“きっかけ”を見つけだすことができるクリエイティブシンキングは、新商品開発に向いている考え方です。
また、新しい商品を開発するとき、時代遅れのものを選ぶことはNGでしょう。なぜなら、すでに市場に出回っている可能性があるので、競争率が高くなります。しかし、クリエイティブシンキングは新しい発想で物事を考えられるので、時代遅れになる心配がなく、そのような点からも向いているといえるでしょう。
事業改革で活用!
2つ目は事業改革のときです。既存事業を改革する際、今までの風潮やルールを取り払う必要があります。なぜなら、その風潮やルールがその事業を構築しているといっても過言ではなく、改革には大胆な発想と今までにない柔軟なアイディアが必須だからです。クリエイティブシンキングは、自由な発想で物事を考えられるので、既存事業の抜本的な改革を行う際に適している考え方になります。
おすすめのクリエイティブシンキングを鍛える方法3選
クリエイティブシンキングを鍛える方法を3つご紹介します。
ブレーンストーミング
ブレーンストーミングは、チームを組み1つの課題に対して意見を出し合うトレーニング方法です。また、ただ意見を交わし合うのではなく、下記の3つのルールを設けます。
- 結論を出さない
- 自由なアイディアを重視
- アイディアの数を重視
判断や結論は行わずに自由に意見を交換するのが鉄則です。また、自由なアイディアを重視し、それに対して批判的な意見を言うのもいけません。さらに、正しさではなく、アイディアの量で評価を決めます。
シックス・ハット法
シックス・ハット法は、さまざまな角度から物事を見ることができるようになるトレーニング方法です。下記の6つの視点で物事を考えます。
- 直感的
- 否定的
- 肯定的
- 客観的
- 革新的
- 俯瞰的
たくさんの視点から物事を考えることでさまざまな意見を吸収することができるという点がメリットです。
SCAMPER
SCAMPERは、ブレーンストーミングを考えたオズボーン氏のチェックリストを改良して作られたフレームワークです。7つの質問を設けてそれに対して答えていきます。そうすることでアイディアをさらに広げていくことができるため、クリエイティブシンキングを鍛えるのに効果的です。
7つの質問は以下の通りで、「SCAMPER」のワードの頭文字を取ったものになっています。
- Substitute(代用できないか?)
- Combine(結合できないか?)
- Adapt(応用できないか?)
- Modify / Magnify(修正/拡大できないか?)
- Put other uses(転用できないか?)
- Eliminate / minify(削除 / 削減できないか?)
- Reverse / Rearrange(逆転/再編集できないか?)
まとめ
クリエイティブシンキングの解説、いかがでしたでしょうか?クリエイティブシンキングを行うことで、ルールや事実にとらわれずに物事を創造できるということが理解できたのではないかと思います。
ロジカルシンキングと平行してビジネスの中で頻繁に使われる考え方です。ビジネスシーンで役立つ場面は非常に多いので、日頃からトレーニングしておくことをおすすめします。
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