C++はどんな言語?C言語との違い、特徴から勉強方法までわかりやすく解説

 2023.01.19  株式会社システムインテグレータ

皆さんは、プログラミング言語「C++」を聞いたことがありますか?
聞いたことがある方も、以下のような疑問が浮かびませんか?

  • C言語、C++、C#ってあるよね。どう違うの?
  • C++で何ができるの?
  • C++を勉強するには、先にC言語を勉強する必要あるのでは?

この記事では、C言語やC#との違いから学習方法に至るまで、プログラミング言語「C++」について詳しく解説します。この記事を読めば、先ほどの疑問はすべて解決されます。C++に興味がある方は、ぜひ最後までお読みください!

C++はどんな言語?入門者向けに特徴から勉強方法までわかりやすく解説 1

C++とは

C++はどんな言語?入門者向けに特徴から勉強方法までわかりやすく解説 2

C++は、汎用プログラミング言語の一つです。「シープラスプラス」と読み、「シープラ」や「シープラプラ」と呼ばれたりします。

簡単にいうと、C言語にオブジェクト指向プログラミングをはじめとする様々な改良が加えられたものです。改良が加えられたものの、旧来のC言語と同様に手続き型プログラミング言語としても扱えます。

C++の3つの特徴

C++の大きな特徴を3つ、ご紹介します。

  • 特徴1:C言語を機能拡張した言語
  • 特徴2:高度な処理を実現可能
  • 特徴3:さまざまなバージョンがある

特徴1:C言語を機能拡張した言語

C++はC言語を機能拡張した言語です。
C言語に対して上位互換性があるため、C言語と同様のことが可能です。たとえば、OS、メモリ、ハードウェアなどのリソースにアクセスすることも、高級言語のようにアプリケーションを作ることも可能です。

C++にはC言語にさまざまな機能拡張が実装されています。以下がその例です。

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  • オブジェクト指向
  • 多重継承
  • テンプレート
  • 関数・演算子のオーバーロード
  • 例外処理

このようにC++は多種多様な機能を持っており、他の言語にはない高度な処理も実装できます。そのため、自由度が大変高いと言われることも、言語仕様が複雑とも言われます。

C言語で書かれたプログラムはC++でもコンパイル(人間が書いたソースコードを機械命令に変換する)することができます。しかしC++で書かれたプログラムをC言語でコンパイルすることはできません。

なお、似た名前のプログラミング言語でC#というものがあります。C#はMicrosoft社により開発されたオブジェクト指向型プログラミング言語です。しかし、C言語やC++との互換性はないため、全く別の言語であるといえます。

特徴2:高度な処理を実現可能

C++は、高度な処理を実現することが可能です。実際にC++を利用しているさまざまなサービスが存在します。以下が一例です。

  • アプリケーション(PCソフト、スマホアプリなど)
  • 大規模業務システム
  • LinuxなどのOS(オペレーティングシステム)
  • ゲーム機を制御するソフトウェア
  • IoT機器のソフトウェア
  • データ解析処理や統計など高速な処理が必要なシステム

C++は最大の特徴の1つとして、プログラムの実行速度が他の言語に比べて格段に速いという点があります。これはC言語含めハードウェアを直接扱う下位層向けの低水準言語として、コンピュータが理解できる機械語に極めて近いプログラムを生成できるためです。

そのため、例えばデータ解析処理や機械学習などの大量データを扱うシステムでは、高速な処理が必要となるため、C++が選択されることが多いです。

また、C++の前身であるC言語から、長い間大規模なシステムで使われているという実績があり、多くの技術や情報が蓄積されている点からくる信頼性の高さがあります。

C++を習得することで、多くのアプリケーションからIoT、データ解析といった先端技術まで幅広く対応することが可能となり、習得しておいて損はないプログラミング言語といえるでしょう。

特徴3:さまざまなバージョンがある

C++の歴史は古く、1979年にC++の前進であるプログラミング言語「C with Classes」の開発が開始されました。1983年には名称をC++に変更された後、その際にさまざまな改良が施され、1985年10月に最初の商用リリースがなされました。

その後も改良を重ね、2011年にはメジャーアップデートとしてC++11がリリース、2014年にC++14、そして最新バージョンは2017年にリリースされたC++17となります。

C++はどんな言語?入門者向けに特徴から勉強方法までわかりやすく解説 3引用:Wikipedia

C++はバージョンごとに機能的に異なる面があり、最新のC++17でもさまざまな新機能が追加されています。これからC++を学習する場合は、最新バージョンであるC++17から始めることをおすすめします。

C言語とC++の違い

C言語の機能にオブジェクト指向を組み込んで拡張させたC++、オブジェクト指向の有無以外にも違いがあります。ここからは、C言語とC++の違いを紹介します。

クラスの有無

クラスとは、プログラムの中でオブジェクトを作る仕組みを指し、クラスから作られたオブジェクトを「インスタンス」と呼びます。たとえば、クラスが「家電」だとすると、インスタンス(オブジェクト)は「テレビ」「冷蔵庫」「洗濯機」などです。
C言語には「struct」と呼ばれる機能があり、データ構造の定義をするために使われています。C++では「struct」を基に新たに「class(クラス)」の機能が追加され、関数の定義を行い構造体と関数を一度に管理できるようになりました。

キャストの違い

キャストとは、オブジェクトやデータ型を、別の型に変換することを指します。キャストの例としては、演算や代入の際に利用したり、double型の変数やlong型の変数を変換したりすることなどが挙げられます。
C言語とC++ではキャストの実装が異なるため、C言語のキャストを使ったコードがC++のコンパイラでエラーになる場合があります。エラーになる原因は、C++の互換性がC言語のキャスト(暗黙的キャスト)を無視するためです。明示的キャストを使用するとエラーが防げます。

言語構造の有無

C言語とC++は、いずれも習得が難しいといわれるプログラミング言語です。C言語は機械が理解できる文字に近い言語構造であるため、他のプログラミング言語よりも難しいとされています。
C++は、C言語にオブジェクト指向やジェネリックプログラミングなどが拡張されているため、さらに複雑な言語構造になるのが特徴です。プログラミング言語を初めて学ぶ人はもちろん、C言語を習得している人でも、C++を習得するには時間がかかる傾向にあります。

例外処理

C言語は例外処理ができませんが、C++は可能です。例外処理とは、プログラムの実行時にエラーが発生した際、エラー発生用の処理をする仕組みを指します。C言語でエラーが発生した際には、戻り値として特定の数値を設定することでエラーを検出します。一方、C++は例外処理ができるため、エラー検出に対する強みがあるといえます。

オブジェクト指向

C言語とC++の大きな違いの一つは、オブジェクト指向の有無です。C++は、C言語にオブジェクト指向の機能が拡張されたプログラミング言語です。C++はC言語のような開発もできるほか、C言語で開発していたものをC++の環境に移行させて利用することもできます。

ジェネリックプログラミング

C言語ではデータを入れる変数を使う際、double型やlong型などの型を決定します。C++では、ジェネリックプログラミング(template)といわれる技術の使用が可能です。
ジェネリックプログラミングは、具体的なデータ型に依存せず、汎用的なコーディングでデータを処理できる技術です。

C++入門者向けの学習方法

C++の学習について、以下の3点をご説明します。

  • 先にC言語を勉強する必要があるのでは?
  • C++の学習におすすめの書籍
  • C++の学習におすすめの無料サイト

C++はどんな言語?入門者向けに特徴から勉強方法までわかりやすく解説 4

(学習方法)先にC言語を勉強する必要があるのでは?

C++を勉強するためには、先にC言語を勉強する必要があるのでは?と考える方もおられるでしょう。結論としてはそのような必要はありません。C++はC言語と重複する部分が多いので、C++を勉強していく中でC言語についても学ぶことになります。

むしろC言語を知らない状況だからこそ、C++を先に勉強することをおすすめします。C++はオブジェクト指向という特徴があり、これはC言語にはありません。C++特有の機能に慣れるためにも、C++を習得することが目的の場合は、C言語を勉強することなくC++から勉強を始めたほうがよいでしょう。

ただし、入門書やセミナーなどでは、C言語の文法やプログラミングの経験をある程度理解していることを対象としたものがあります。たとえば、C++はC言語から拡張されたものであるため、共通部分は省略されている内容の場合です。それらを利用する場合は、事前にある程度勉強しておく必要があります。

(学習方法)C++の学習におすすめの書籍

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やさしいC++ 第5版

初心者向けの書籍として長く愛されている良書です。独学で使用する書籍としておすすめです。

C++の文法を理解するのに適した書籍といえます。サンプルソースも豊富に掲載されており、実際にプログラムを入力し動作を確かめながら勉強を進めることができます。

C++はどんな言語?入門者向けに特徴から勉強方法までわかりやすく解説 6

C++の絵本 第2版

「絵本」とついているとおり、概念を示した図とサンプルソースを用いてわかりやすく説明されており、C++入門者の方におすすめです。

注意として、この本がC言語についてある程度理解している方を対象としているため、C言語を知らない場合はそちらを学んでおく必要があります。C言語を学ぶには、同シリーズの「Cの絵本」をおすすめします。

C++はどんな言語?入門者向けに特徴から勉強方法までわかりやすく解説 7

オブジェクト指向でなぜつくるのか 第2版

C++とC言語の大きな違いの1つは、オブジェクト指向が使えることです。オブジェクト指向という考え方は、C++に限らずJavaやRuby、Pythonなど数多くのプログラミング言語で取り入れられています。

オブジェクト指向そのものの理解や、オブジェクト指向でつくることのメリットを理解する上で、この書籍は大変役立ちます。C++に限らず、多くのプログラマーにおすすめする良書です。

(学習方法)C++の学習におすすめの無料サイト

一週間で身につくC++言語の基本

C++はどんな言語?入門者向けに特徴から勉強方法までわかりやすく解説 8

タイトルどおり、一週間でC++ の基本が学習できる無料サイトです。日ごとに内容が決められているので、日々の学習がしやすいという点もポイントです。同じサイトにC言語の学習コンテンツもあるので、C言語の知識・経験がない人でも一緒に学習することができます。

C++マニアック

C++はどんな言語?入門者向けに特徴から勉強方法までわかりやすく解説 9

非常にシンプルなページですが「ちょっと難解と思われているC++が、つまらなく見えるほど平易に解説されている」ということで、初心者にもわかりやすく解説されています。プログラミング経験がない方でもおすすめです。

まとめ

本記事ではプログラミング言語C++についてご紹介しました。
さいごに、C++の3つの特徴をおさらいしておきましょう。

  • 特徴1:C言語を機能拡張した言語
  • 特徴2:高度な処理を実現可能
  • 特徴3:さまざまなバージョンがある

C++は習得しておいて損はないプログラミング言語です。この機会に、ぜひプログラミング言語「C++」を習得されてみてはいかがでしょうか。

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