導入事例|株式会社サンワカンパニー 様

住宅設備、建築資材のインターネット通信販売を通じて
建築業界に変革を!


株式会社サンワカンパニー
座談会参加者:左から
(株)システムインテグレータ ECオムニチャネル事業部 開発部 上級スペシャリスト 松田 孝宏
(株)サンワカンパニー 管理部 情報システム課 マネージャー 太田 光紀 様
(株)サンワカンパニー 取締役 荒砂 康行 様
(株)システムインテグレータ 常務取締役 引屋敷 智

株式会社サンワカンパニー様(以下サンワカンパニー様)住宅設備・建築資材のインターネット販売のリーディングカンパニーです。「住宅設備、建築資材のインターネット通信販売を通じて建築業界の変革をもたらし、建築主の顧客満足度を高めること」を中長期的な経営目標とされています。サンワカンパニー様では、オムニチャネルに対応する新たなEC基盤として「SI Web Shopping」を用い、株式会社システムインテグレータ(以下SI)とともに新ECサイトを構築しました。本プロジェクトを牽引された荒砂様、太田様に経緯や効果について伺いました(取材日:2017/7/5)。

導入事例集

成長戦略上の主要課題
  • 施主支給・材工分離の推進
  • 施主の選択肢を広げ、魅力ある住宅づくりを支援
  • 海外展開
SIからのご提案ポイント
  • ECサイト構築パッケージ「SI Web Shopping」をコアにしたサイト構築
  • 見積管理、商品情報管理、CMS、CRMを一元管理
  • UXを意識したデザインを実装し検索性&探索性を向上
  • WEBサービスの組み合わせによるオムニチャネル化支援
  • 海外展開へ向けた多言語対応

劇的に向上した業務生産性

引屋敷

「新ECサイトの特徴は、BtoC・BtoB両方の導線連携に加え、見積依頼機能との連携が可能となりました。これにより何かビジネス面で変わったことはありますか?」

太田

「新ECサイトでは、訪問者を自然に見積依頼画面に誘導できるようになりました。一見単純な仕組みですが、要件定義にて相当深く議論しました。弊社メンバーが仮説としてもっていたあるべき見積管理機能のイメージが、SIさんと議論する中でより具体的になり、機能に落とし込むことができました。お客様との煩雑でわかりづらいやりとりを新ECサイト上で体現できたことに大変満足しています。」

荒砂

「現場社員からも新ECサイトが便利になったという声が非常に多いです。業務の生産性が上がったのは間違いありません。」

新ECサイトイメージ
※新ECサイトでは、直観的に購入可能となっただけでなく、
在庫がない商品等については見積依頼画面に遷移して顧客の囲い込みが可能になりました。

引屋敷

「サンワカンパニー様で取扱う商品点数が多い上に、組み合わせのバリエーションも複雑で工期に合わせた納期調整など”業務の属人化”が問題である、と以前お聞きしました。」

太田

「新ECサイトでは、見積依頼をFAXではなく全てECで受け付けるようにしました。結果、”業務の属人化”を脱することができ、かなり効率化できたと感じています。」

松田

「以前はFAXでやりとりされていた工務店の方も、新ECサイトに移行できていますか?」

荒砂

「移行できています。新ECサイトからの流入も前年度の6倍となっています。EC利用比率は確実に上がっています。」

引屋敷

「”業務生産性”という観点では、他に変化はありましたか?」

荒砂

「今回の新ECサイトへのリプレイスによって、受注処理が自動化されるだけでなく、メーカーへの発注に至るプロセスも効率化できました。」

松田

「要件定義の時も、受注関連のチェック作業に時間がかかっているとお聞きしました。改善されたのでしょうか?」

太田

「かなり改善されたと思います。それはPIMの導入効果も大きいです。旧システムではフロント、バックの商品マスタが別々に管理されていました。新ECサイトでは統合管理されているのでトラブルが減りました。さらにECで受け付けた納期連絡のメール送信も自動化できました。」

引屋敷

「新ECサイトへのリプレイスにより業務がある程度標準化されたのでしょうか?」

荒砂

「確かに、以前に比べ標準化されたと思います。今は誰が実施しても同じ水準で業務を遂行できると思います。また、業務の体系化をさらに進めていきたいです。システムを利用して受注の比率をFAXからWebでの受付をさらに増やしていくことにより、さらに生産性が向上すると考えています。」

意識改革のきっかけに

意識改革のきっかけに

松田

「今回のプロジェクトが、会社全体で意識改革のきっかけになっているとうれしいのですが。」

 

太田

「そう言えると思います。弊社の現場メンバーが、本プロジェクトを通じて成功体験を持てたのが大きいと考えています。自分たちが提言した機能がシステム化されるプロセスを通じて、問題や課題を積極的にとらえ、改善案も都度出てくる雰囲気になりました。」

荒砂

「改善しようという機運が高まっているという意識改革がよい影響と考えています。」

SI Web Shopping CMSを利用したコンテンツ、クリエイティブ制作の効率化

SI Web Shopping CMSを利用したコンテンツ、クリエイティブ制作の効率化

引屋敷

「コンテンツの制作にもいろいろ課題があったとお聞きしていました。」

太田

「以前はコンテンツ、クリエイティブをHTMLでコーディングしていました。新ECサイトのCMS機能を利用することにより、作業工数も大幅に削減できています。ある意味、Web技術を知らなくても制作できるという点が大きいです。以前より遥かに効率的にデザイン変更が可能となり、事業スピードに追随できるECサイトになったと思います。」

引屋敷

「ご担当されている社員の方々の、残業時間は減っていますか?」

荒砂

「減少傾向にあります。CMS利用により間違いなく効率化できています。いちいちコーディングする必要がなくなりましたし、コーディングスキルがないスタッフもデザインチームで稼働しています。」

太田

「さらに、CMS利用により外部WEBサービスの導入スピードが向上しています。以前は、例えばマーケティングツールや接客ツールの導入自体可能なのか?タグ埋め込み方法はどうするのか?といったテクニカルな話に収斂し検討自体に時間がかかっていました。しかし、新ECサイトでは外部WEBサービスがとても楽に実装できるため、ビジネスに合わせて何をいつどのように導入するのか?という本質的な検討と実装を迅速に行うことができるようになました。正直、とんでもない改革が起きたと思っています。現時点で、多くのWEBサービスを利用していますが、振り返ってみて、まさか新ECサイト構築後にこれほど多くの外部サービスを使うことになるとは思っていませんでした。」

松田

「SI Web Shopping CMSでは“テンプレート“という概念を導入しました。“テンプレート“によってデザインパターンを整理したため、デザイン変更も容易になったと思います。」

太田

「その通りですね。例えばキャンペーンセールやろうとした場合、以前は各ページを一つ一つ調べる作業から始めていました。どのページにどの商品がどのように掲載されているのか調べ、そして個別に修正していく作業が必要だったのです。一方、新ECサイトではマスタを変更するだけで全てのページに反映させることができるようになりましたので、本当に楽になりました。」

ショールームとの連携について

引屋敷

「サンワカンパニー様のショールームと新ECサイトの相乗効果は出てきていますか? オムニチャネルという観点で“リアルとバーチャルの相互誘導”もプロジェクトの目的の一つであったか思います。」

荒砂

「新ECサイト構築により、ショールームのスタッフが主要業務である接客、コーディネートに集中できるようになったと感じています。“実際にモノをみて触れることができる”というのがショールームでの強みですが、それをサイトでの利用価値というのはあるかと思います。新人スタッフであっても、サイトをみて商品選定プロセスを学ぶことで、知識も増えますし接客・案内スキルの向上も期待できます。」

引屋敷

「新ECサイトの機能を用いてショールームスタッフを教育するというのは当初から計画されていたことなのでしょうか?」

荒砂

「いいえ、当初意図していませんでしたが結果的にそうなったといえます。」

太田

「ある意味、新ECサイトがショールームの接客業務を支えているといっても過言ではありません。今ショールームにおいてタブレット端末とNFCタグを利用した新ECサイト誘導の仕組みを検討しています。逆に新ECサイトからショールームへの誘導を強化することが課題となっています。」

施主支給の拡大へ向けて

太田

「弊社の取引先がEC導線に慣れていただくことに加え、今後”施主支給”もWEBで完結できるようにしたいと思います。」

引屋敷

「施主支給ということは、BtoCの観点での導線設計も検討していくということですね?」

太田

「その通りです。今後は、BtoCのEC導線も強化していきます。例えば、現時点では施主が水回り関連製品で何万通りもある組み合わせの中から選択するのは商品特性上複雑すぎると思います。EC導線をもっと簡単にして施主が自分でほしいものを選べるように施主利用率は上げていくことを考えています。」

※施主支給:施主が自ら工事業者に対して住宅設備を提供すること

顧客満足度向上を意識した接客

顧客満足度向上を意識した接客

引屋敷

「接客やアフターフォロー等、新ECサイトで強化すべきと考えられているポイントがあれば教えてください。」

太田

「新ECサイトで”チャット”を使った接客をやりたいと考えています。人的リソースが必要なため、すぐには実行できませんが、顧客満足度の向上の観点から人件費度外視でやるべきだと思っています。」

松田

「他社の”チャット”事例では、オペレーター1人に対して3人位しか対応できないというキャパシティの問題があります。リアルタイムに応答する必要があるため、なかなか実対応が難しいといった声も聴きます。」

太田

「確かに“チャット”に対応するとしても、人のアサインがすぐに実施できないのも事実です。顧客満足度という観点ではアフターフォローを強化しないといけないため、どこに人を投入するかを考える必要があり、大変悩ましいところでもあります。」

荒砂

「また問い合わせという観点では、キッチンと施工に関する質問が大変多いです。とりわけ施工に関しては技術的な詳細な質問が多いため、技術に強い要員をアサインする必要があると考えています。また、施主の方へは弊社の製品を熟知した工務店を紹介していくことも大変重要と考えています。」

太田

「一般的に「リフォーム会社(工務店)を選んで、商品を選ぶ」という流れが一般的です。一方弊社としては、「商品を選んで、リフォーム会社(工務店)を選ぶ」という流れをデファクトスタンダードにしていきたいと考えています。そのために、様々な接客に関するシステム化を検討していく予定です。さらに、弊社製品を施工する側の工務店向けには動画マニュアル等を提供していきたいです。」

SIとのプロジェクトを通じて

引屋敷

「弊社のプロジェクト運営について率直なご評価をいただきたいと思います。」

太田

「2年前から本プロジェクトを開始しました。私共の頭が整理できていない段階から一緒に考えていただき、大変親身に検討いただきました。そもそもSIさんにとって案件化前の段階だったと思いますが、細かく問題点を整理いただきました。また、実際提案フェーズにおいても、単なるシステム提案ではなく、サンワカンパニーだったらこうあるべきというビジネスを踏まえた提案をしていただいたと思っています。最終プレゼンにおいてもSIさんが一緒にやっていただける会社である点を経営陣に伝えさせていただきました。」

引屋敷

「確かにかなり前からのお付き合いですね(笑)。」

太田

「そうですね(笑)。そして、提案フェーズで各社提案を比較検討した結果、最終的にはECサイトはSIさん、商品管理(PIM)は別ベンダーさんという体制にさせていただきました。本来契約が分かれることは嫌がるベンダーが多いですが、2社とも前向きに取り組んでいただきました。そして統括PMを松田さんに担当していただきました。契約も異なる2社を取りまとめるのは難易度も相当高いものだったと思いますが、PM松田さんによくまとめていただき、本当によかったと思います。SIさんの能力、そして熱意があってこそ成功できたと思います。」

引屋敷

「お褒めいただきありがとうございます。その他考えられる成功要因があれば教えてください。」

太田

「プロジェクトルームではなく社内執務室内に常駐していただき、弊社社員と一丸となってプロジェクトを推進していただいたこと、そしてその頑張る姿を弊社社員も毎日見ながらプロジェクトに参画したこと。そういった“協働”の体制をとれたことが本質的な成功要因だと思います。もちろん問題や課題は多々ありましたが、都度SIの皆様に支えていただきました。本当にこのプロジェクトは楽しかったですし、提案時から変わらないスタンスで臨んでいただきました。想定以上のパフォーマンスを出していただけたと思います。」

引屋敷

「大変恐縮です(笑)。本日は長時間にわたりいろいろお話いただきありがとうございました。」

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