サブスクリプションモデルのECとは

 2017.11.17  佐藤 嘉彦

サブスクリプションモデルというキーワードを耳にする機会が増えてきていますね。Googleトレンドを見てみますと2016年から徐々にではありますが検索される回数も増えてきたキーワードです。

 

今回は、サブスクリプションモデルとは何か、サブスクリプションECサイトを構築するにあたり検討すべきことクリプションモデルとは何か、サブスクリプションECサイトを構築するにあたり検討すべきことをECサイト構築ベンダーの視点がまとめていきたいと思います。

 

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サブスクリプションモデルとは?

都度都度買う、のではなく、期間やサービス内容に応じて課金してもらうモデルで、「定額サービス」(のようなもの)というイメージが一般的です。化粧品や健康食品の定期購入もサブスクリプションの一種ですが、どちらかというと物を買うという感覚よりサービスに近いものをサブスクリプションモデルではイメージすることが多いのではないでしょうか。

例えば、huluNetfilxのような動画配信サービスも月額料金で動画見放題のサブスクリプションモデルですよね。Amazon PrimeもAmazon Kindle Unlimitedもサブスクリプションモデルですね。

他にも、2017年4月に自由が丘でオープンしたALPHA BETA COFFEE CLUBは、月額7,500円の会員になると注文毎にコーヒー1杯無料というユニークなサービスでメディアに取り上げられましたが、これもサブスクリプションモデルと言えます。

より物販のECの世界に近いところでいうと、airClosetメチャカリのようなファッションレンタルサービスもサブスクリプション型のビジネスです。

何故ファッションレンタルサービスが動画配信サービスやコーヒー無料のサービスよりも物販のECの世界に近いかというと、サービス提供側がお客様に商品を出荷するという物流業務が発生しているからです。

レンタルして返してもらうという業務は、レンタルではない物販ECの世界でも試着サービスを提供しているようなロコンドOh My Glasses TOKYOでも似た業務が既にあるとも言えますよね。

本記事では、サブスクリプションモデルの中でも物販ECに近いレンタルサービスについて考えていきたいと思います。

 

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何故サブスクリプション型のレンタルが注目を集めるようになったか

ファッションレンタル市場については、別に詳しい記事が上がっていると思いますのでここで触れませんが、アパレルに限らないサブスクリプション型のレンタル市場が注目されている理由を顧客と事業者の視点で分けて整理してみたいと思います。 

 

1.顧客が注目する理由

上の世代と比べてモノを所有することに執着がないと言われているミレニアル世代の顧客は、必要な時に必要な分だけ利用したがる傾向が高いと言われています。

実際にオールドミレニアルに分類される私も、一時は車を所有していましたが、今は手放してカーシェアリングサービスを利用していますし、今のところではありますが、今後も車を所有することはないだろうと思っています。

車に乗って出かけるという体験にフォーカスした場合、車を所有することは必須条件ではないからです。

マイホームについても同様で、歳を重ねるごとにライフスタイルが変わっていくことを考えると、所有するよりはその時々にあった物件を借りた方が合理的、なんて思っているタイプです。

ありとあらゆるものがレンタルで済めばいい、とまでは思いませんが、所有していることよりも今の自分のライフスタイルにあったサービスや体験を受けることに重きを置くと、必然的にレンタルやサブスクリプション型のサービスに注目するようになります。

 

またファッションレンタル市場にフォーカスすると、「インスタ映え」というキーワードも無視出来ません。

Newspicksの記事でストライプインターナショナルの石川社長が「ワンショット消費」という言葉を使われていましたが、新しい服を来て撮影した写真をSNSに一度アップすると、同じ服ではもうSNSにアップしたがらないので、違う服を着るために一度SNSにアップした服はもう売ってしまう、という消費スタイルが若年層を中心に増えているそうです。

正直にわかには信じがたい消費スタイルですが、服を所有することそのものよりも、新しい服を来て写真をSNSにアップすることに価値を感じているのであれば、いちいち売り買いするよりもレンタルサービスの方が使いやすいというのは納得です。

 

2.事業者が注目する理由

勿論顧客が注目している市場だから事業者も注目するというのもあると思いますが、事業者側としては既存のバリューチェーンとは異なるバリューチェーンを作ることが出来るということに価値を感じているように思えます。

例えば201710月にポルシェがサブスクリプションモデルをスタートさせるという発表をしました。

車メーカーに限らず多くのメーカーが自社の販売チャネルを持ちたいと考え始めていますが、自社でおおっぴらに販売をしてしまうと既存の代理店や取引先から苛烈な反発があることを懸念し、本流ではないちょっとした商材でビジネスを展開することがほとんどだといいます。

本体は売れないけど、メンテナンス用のパーツや消耗品だけメーカーのECサイトで売っている、というパターンはよくありますよね。

ポルシェの狙いがそこにあるかはわかりませんが、メインで扱っている商材であってもこれまで取り組んでいなかったサブスクリプションモデルであれば、既存の代理店のビジネスへの影響をある程度限定しながら、顧客との直接のチャネルを構築出来るというわけです。

家電メーカーや家具メーカーからもサブスクリプションモデルへの参入の検討を始めているという噂もチラホラ耳にします。

 

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サブスクリプション型レンタルECサイトを構築するにあたり

一般的な物販のECサイトとサブスクリプション型レンタルECサイトの主なギャップとしては、以下の点があると考えられます。

 

1.商品・在庫系

中古品を扱うことになりますので、同じ商品であっても別のユニークなSKU等を付与し、状態をステータスとして管理出来るようにする必要があります。

また、中古販売と異なり商品の状態によって価格を変えるというような貸出方法は想定しないはずですので、フロントに表示する在庫は、異なる状態であっても貸出可能なステータスであれば同じ商品でまとめて在庫数として出す処理を行う必要もあるでしょう。

 

2.契約系

サブスクリプションサービスの種類によって、同時に加入できないサービス、この組み合わせでしか加入できないサービスなどの制御を行う必要があるでしょう。

 

3.注文(申込)系

契約しているサービスによって注文できる商品の制御、また返却状況によって注文可否を制御する必要があるでしょう。

 

4.課金系

顧客に対して、加入中のサブスクリプションサービスの料金を定期的に課金、請求する仕組みは必須となります。

また、物販の定期販売のようにクレジットカード期限が近づいている契約者のアラート、クレジットカードの期限が近づいた契約者向けにクレジットカード情報更新の案内を自働化するなどの機能が必要となります。

 

5.返却申込・受付

必要に応じて返却用ダンボールの申込を行えるフォームを用意し、返却用ダンボールを発送する専用の申込フローも追加する必要があるかもしれません。

サービスの形態によっては、ダンボールの発送に対しても課金したり、N回まで無料のような回数制限などを制御する機能も必要になるでしょう。

 

6.返却品確認

顧客から返却されてきた商品を検品し、商品の状態ステータスの管理を行う機能は必須となります。

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まとめ

サブスクリプション型レンタルECのモデルにて、複数のサービスメニュー(契約メニュー)とオプションが存在していて、その組み合わせにより注文出来る商品を制御する必要があるようなサービスを展開する場合、ここが複雑になればなるほど、実装が大変になってきそうですね。

ただ、サブスクリプションモデルをスタートする際には、商品もサービスも絞って小さくスタートすることが一般的なので、ビジネスが成長して同じサブスクリプションの中でも多様なサービスを展開しようと思った時に、上記の点が課題になってくるというイメージですね。

今物販のECを既に始めている事業者様はサブスクリプションモデルを検討する際に、どのくらい既存の業務とギャップがあるのかをベースに検討するとイメージしやすいでしょう。

 

2017年11月現在、日本国内ではまだサブスクリプション型レンタルEC市場がそこまで大きくないのもあり、私の知る限りでは専用の構築パッケージやサービスは存在していません。

その中ではSI Web Shoppingは総合型物販ECサイト構築パッケージですが、カスタマイズ柔軟性が優れた製品ですので、今パッケージをベースにサブスクリプション型レンタルECをスタートさせるために適した製品と言えます。

具体的に新しくサブスクリプションモデルのビジネスをスタートさせようと検討されている方も、これから検討したいという方も是非当社までお気軽にお問い合わせください。

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