ECサイトとは?種類や運営方法、必要な機能や業務まで解説

 2022.09.02  佐藤 嘉彦

スマートフォンの普及により、消費者の買い物スタイルは多様化しました。いつでも、どこでも、好きな方法で気になる商品の情報にアクセスし、様々なデバイス、様々なチャネルをまたぎ、回遊しながら購入するスタイルが今では当たり前です。企業からの一方的な広告の効果は薄れ始め、SNSや口コミサイトでの消費者のコメントが大きな影響力を持ち始めていると言われています。

本記事では、そうした多様な買い物スタイルの中心となるECサイトの基本および、種類や必要な機能・運営方法について解説します。

ECそのものについては「ECとは?意味や基礎知識、メリット・デメリットからEC通販ビジネスの特徴を解説」の記事でも詳しく解説しています。

ECサイトとは

ECサイトとは?種類や運営方法、必要な機能や業務まで解説 1

ECサイトとは、E-Commerce(電子商取引)を行うことのできるウェブサイトのことです。ネットショップとも呼ばれ、ユーザーはPCやスマホ、タブレットなどからECサイトにアクセスし、商品を閲覧して欲しい商品を購入することができます。

ECサイトは実店舗と異なり、時間や場所の制約を受けず、いつでもどこでも商品を購入することができるため、消費者だけでなく事業者にとっても大きなメリットがあります。
ECサイトであれば、国内だけでなく、グローバルにビジネスを展開することも容易です。

ECサイトの種類

ECサイトは大きく、「モール型ECサイト」「自社ECサイト」の2種類に分けることができます。

モール型ECサイトとは、楽天市場やAmazon、Yahoo!ショッピングなどの複数の企業が商品を出品・販売するショッピングモール型のECサイトのことです。一方自社ECサイトは自社独自のECサイトで、「単店舗型」「オムニチャネル型」「越境・グローバル型」「BtoB型」など様々な形態があります。

それぞれ特徴があるため、ビジネスに応じてプラットフォームを使い分けたり、あるいは両方で展開したりします。

モール型ECサイトとは

モール型ECサイトとは、実店舗が集まるショッピングモールのように複数のECサイトが集まって形成された、インターネット上の仮想ショッピングモールのことです。

モール型ECサイトには、商品データのみを掲載する「マーケットプレイス型」と、現実のショッピングモールさながらにさまざまな店舗を取り込んだ「テナント型」の2種類が存在します。

詳しくは「モール型ECサイトとは?店舗型との違いを解説」の記事でも解説しています。

単店舗型自社ECサイトとは

単店舗型自社ECサイトとは、自社が独自に構築・運営するECサイトのことで、代表的な自社ECサイトの形です。

構築方法は大きく、ASP型、オープンソース型、パッケージ型、フルスクラッチの4つの種類があります。

詳しくは「ECサイト構築を徹底解説 | 要件定義や費用相場、会社の選び方まで」の記事でも解説しています。

オムニチャネル型ECサイトとは

オムニチャネル型ECサイトは単店舗型自社ECサイトと異なり、複数の販売チャネルを設け、横断的に購入体験を提供できるよう、様々な情報を一元管理できるようにしたECサイトのことです。

オムニチャネル(Omni-Channel)とはあらゆる経路という意味で、主には実店舗とECサイトを意識することなくシームレスな購入体験を提供するために用いられる手法です。

詳しくは「オムニチャネルとは?OMO・O2Oとの違いから事例や戦略について解説」の記事でも解説しています。

越境・グローバル型ECサイトとは

越境・グローバル型ECサイトとは、海外のお客様からの注文にも対応したECサイトのことです。現地で現地の消費者向けにECサイトを運営するという方法もありますが、越境・グローバル型は日本国内で運営する方法です。

日本の商品は品質の高さや、偽物のリスクが小さいといった点で海外から評価されており、今後も越境EC市場は大きく成長していくと言われています。

詳しくは「越境ECを成功させるためのポイントを徹底解説」の記事でも解説しています。

BtoB型ECサイトとは

BtoB型ECサイトとは、企業間取引を行うためのECサイトです。

BtoB型ECサイトは消費者向けのECサイトと異なり、見積もりの機能や取引先別の価格などのBtoBならでは機能が用意されています。

詳しくは「BtoB ECとは?BtoC ECとの違いと成功のポイント」の記事でも解説しています。

日本国内のEC市場規模(2022年最新)

経済産業省の「令和3年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」によると、令和3年(2021年)の日本国内のBtoC-EC市場規模は20.7兆円で、前年の19.3兆円より7.35%拡大しています。

また、同年の日本国内のBtoB-EC市場規模は372.7兆円で、前年の334.9兆年より11.3%増加しています。

BtoC-EC市場規模の経年推移(単位:億円)

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画像引用元:https://www.meti.go.jp/press/2022/08/20220812005/20220812005.html

BtoC-EC市場は、「物販系分野」「サービス系分野」「デジタル系分野」の3つの分野に分かれています。2020 年は新型コロナウイルス感染症拡大に伴う巣ごもり消費の影響で大幅に物販系分野の市場規模は拡大しましたが、2021 年は伸びが鈍化しつつも増加する結果となっています。

BtoC-ECの市場規模及び各分野の伸長率

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画像引用元:https://www.meti.go.jp/press/2022/08/20220812005/20220812005.html

また物販系分野のEC化率は8.78%と前年の8.08%より0.7パーセントポイント増加しています。

EC化率については「EC化率を徹底解説!世界から見た日本のEC業界は?」の記事でも詳しく解説しています。

新型コロナウイルスの影響で一時的に落ちてしまったサービス分野を除き、EC市場は継続的に成長を続けています。この背景には、消費行動のデジタル化があり、ECサイトの重要性はますます高まっています。

ECサイトの4大ビジネスモデル

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一般的にECサイトというと、企業が販売する商品を一般の消費者が購入するというビジネスモデルを思い浮かべますが、今やありとあらゆるビジネスモデルがEC化しています。

代表的なECのビジネスモデルとしては「BtoC」「BtoB」「CtoC」「DtoC」などが挙げられます。
それぞれの特徴についてご紹介します。

BtoC

BtoCはBusiness to Consumerの略で、ビジネス(企業)がコンシューマ(一般消費者)に対して商品やサービスを販売するビジネスモデルです。B2Cとも表記されます。ECサイトに限らず、コンビニやスーパーなどのお店はBtoCのビジネスモデルです。みなさんが個人として利用するECサイトの多くはBtoC ECサイトです。

後述するDtoCもBtoCのように企業が一般消費者に対して商品を販売するモデルですが、DtoCはメーカーが消費者に直接販売するという点が異なります。

BtoB

BtoBはBusiness to Businessの略で、企業が企業に対して商品やサービスを販売するビジネスモデルです。いわゆる企業間取引のことで、B2Bとも表記されます。BtoBはBtoCと異なり、業界ごとに異なるさまざまな商慣習があります。支払いも掛取引が中心となり、BtoCと大きく業務が異なります。

詳しくは「BtoBとBtoCの特徴・違いとは?6つのポイントで比較」の記事で解説しています。

CtoC

CtoCはConsumer to Consumerの略で、消費者が消費者に対して商品やサービスを販売するビジネスモデルで、C2Cとも表記されます。CtoC ECはメルカリやヤフオクなど、企業が用意するプラットフォーム上で行われることが多く、出品者はプラットフォームに販売手数料を支払い利用します。プラットフォームは消費者同士の取引でトラブルが起きないような仕組みを提供しています。

詳しくは「CtoCとは何か?BtoB、BtoC、BtoEとの違いやそれぞれの取引形態を解説」の記事で解説しています。

DtoC

DtoCはDirect to Consumerの略で、卸や小売を挟まずメーカーが直接消費者に商品を販売するビジネスモデルです。D2Cとも表記され、特にECで注目を集めているビジネスモデルの1つです。ECサイトはその特性上、直接消費者向けの販売チャネルとして立ち上げることが容易なため、立ち上げたばかりの小さなブランドでもD2C ECサイトを構築すれば、卸売業や大手の小売店を挟まずに、直接消費者に商品を広く届けることができます。

詳しくは「D2Cとは?注目される背景やメリット、成功事例まで解説!」の記事で解説しています。

ECサイトに必要な機能とは?

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ECサイトには、商品を販売するための機能と、消費者が商品を探して注文するための機能受けた注文を処理するための機能が必要です。ECビジネスの運営に欠かせない代表的な機能についてご紹介します。

フロント機能

フロント機能は商品を購入するための機能です。フロント機能のフロントとは、お客様が実際に見る画面のことです。ここからはECシステムの代表的な5つのフロント機能をご紹介します。

会員登録・ログイン

会員登録しなくても購入することのできるECサイトもありますが、住所や支払い方法を管理するために会員情報を登録できるようにしていることが一般的です。

登録時に設定したIDやメールアドレスとパスワードでログインすることで、登録した情報をもとに快適に買い物をすることができます。買い物のたびに住所を入力する手間は必要ありません。

最近ではSNSアカウントと紐づけることで、SNSアカウントの情報でもログインができるソーシャルログインの機能を実装するECサイトも増えてきています。

詳しくは「シングルサインオン(SSO)とは?メリット、デメリット、導入方法について解説」の記事でも解説しています。

商品検索、一覧表示

1つの商品しか取り扱っていないECサイトは一般的ではなく、複数の商品がECサイトでは販売されています。お客さまが目的の商品にたどり着けなければ、買ってもらうこともできません。

テキストでの検索はもちろん、カテゴリごとの商品一覧表示、価格や色などの属性での絞り込みを用意することで、快適な購入体験を提供することができます。

詳しくは「サイト内検索の導入のポイントとは?求められる機能について解説」で解説しています。

カート

ECサイトとそれ以外のサイトとの違いは、商品を購入する機能があるかないかです。目的の商品を購入する前にピックアップする機能・画面のことをカート(ショッピングカート)と言います。

実際の店舗でのお買い物のように、気になる商品をカートに入れていき、最後にレジ(決済)に向かうというイメージです。最近のECサイトでは画面のどこかにミニカートが表示され、今カートに入っている商品の合計金額や、あといくら分で送料が無料になるかなどが表示されています。

カートは、後述する決済までを含む機能として説明される場合や、カートシステムとしてECサイトそのものを意味する場合もあります。

決済

決済とは支払いのことです。ECサイトでの支払いはその場で現金を渡すことができないので、ほとんどの場合後払いとなります。決済の方法はクレジットカード払いや代引き、携帯キャリア決済、電子マネー決済など様々なものがあります。消費者が使いたい支払い方法が用意されていないと、せっかく商品を選んでもらっても買ってもらえないこともあります。

詳しくは「ECサイトで使うべき決済方法は?サービスの概要と選定ポイント」で解説しています。

マイページ

マイページとは、登録した個人情報の確認や変更、購入履歴などが確認できる画面です。ポイントサービスやクーポンといった販促機能を用意しているサイトの場合、利用可能なキャンペーンをマイページで確認することもできます。

また発送先の住所を複数登録したり、支払いに利用するクレジットカード情報を登録したりすることもできます。

バックオフィス

バックオフィスの機能は、EC事業者がECサイトを運営するために用意されている機能です。バックオフィスのバックは、消費者から見えない裏側のことで、EC事業者が見る画面のことです。ここからは代表的な7つのバックオフィス機能についてご紹介します。

商品管理

販売する商品情報を管理するための機能です。商品の画像や説明、価格などの情報を登録・管理することができます。商品情報が魅力的でないと、商品の購入につながらないため、魅力的な文章、魅力的な画像を用意することが求められます。

詳しくは「売れる商品ページを作るコツとは?必要な要素&工夫まとめ」の記事でも解説しています。

在庫管理

ECシステムにおける在庫管理は、そのECサイトで販売可能な在庫数を管理するための機能です。複数の販売チャネルを持っている場合、在庫情報を一元的に管理し、それぞれのチャネルに最新の販売可能な在庫数を連携する必要があります。

またオムニチャネルモデルで展開している場合、実店舗の在庫も含めてECサイトに連携し、店舗に在庫があるかどうかの表示や、店頭に取り置きができるように連携できるようにする必要もあります。

実際の在庫管理は、販売管理システムや倉庫管理システム(WMS)や実店舗の情報と連携しながら行う必要があり、なかなか複雑です。
詳しくは「EC・実店舗の在庫管理業務とは?効率化のポイントも紹介」の記事でも詳しく解説しています。

受注管理

受注管理とは、誰が・いつ・なにを・何個・いくらで購入したかなどの情報を管理する機能です。お客様からの問い合わせ対応の際に確認する履歴情報や、後述する分析に必要な情報として蓄積された受注データは活用されます。

出荷管理

お客様からの注文情報に応じて、倉庫に出荷の指示を出すための機能です。注文情報には商品の情報や、個数、お届け先やお届け希望日といった情報が含まれます。これらの情報をもとに、出荷担当者や倉庫管理システムに出荷の指示を出します。

詳しくは「EC物流とは?特徴や発送までの流れ、よくある課題の解決策までご紹介」の記事でも詳しく解説しています。

デザイン管理

自社ECサイトの運営では商品ページデザインだけでなく、TOPページに表示するお知らせやキャンペーン情報、バナーなどの差し替えも行う必要があります。以前はこのようなデザインの変更を都度システム会社に依頼しないとできないシステムもありましたが、今では範囲の差はあれシステム側で簡単に変更ができる機能が用意されていることがほとんどです。

こうしたデザイン管理(ページの編集・管理)ができるシステムのことをCMSとも言います。

キャンペーン(販促)管理

短期的な売上の拡大や顧客の獲得にはキャンペーンが効果的です。期間限定のセールや、ポイント還元率アップ、送料無料など販促の手法は様々です。無料の試供品をつけるというパターンもあります。こうした様々な販促方法を素早く簡単に実施できる機能がキャンペーン(販促)管理機能です。

分析

どうすれば売上を伸ばすことができるかは、収集されたデータを分析することでその筋道を見出すことができます。分析はエクセルや他のシステムでも行うこともできますが、ECシステムに簡易的な分析の機能が用意されていることもあります。

スマートフォンアプリ

必須ではありませんが、スマートフォンアプリもあると望ましいです。
BtoCの場合、ブラウザであってもスマホでの購入割合が増えており、アパレルなど圧倒的にスマホ経由の売上が高いカテゴリも存在します。

Webサイトではないので便宜的にフロント機能から独立させてご説明しますが、必要となる機能はほとんど一緒です。ただし、スマホアプリ内のWebViewで単に自社ECサイトを表示させるだけでは、プラットフォーム側の審査をクリアできず、アプリのストアに登録されないこともあるようです。

スマホアプリならではの機能、例えば実店舗でも使えるポイントカードや商品バーコード読み取りからのお気に入り追加の機能などを用意すると、より便利に利用いただけるようになりますし、審査も通るようです。

開封率の高いアプリからのプッシュ通知を利用することで、効果的に販促を行うことができるのもスマホアプリならではの特徴です。

ECサイトを構築する5つの方法

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ECサイトを構築するには大きく分けて、「モールに出店・出品」「ASP」「オープンソース」「パッケージ」「フルスクラッチ」の5つの方法があります。

手法別の特徴については以下の記事で詳しく解説していますので、ここでは概要をかんたんにご紹介します。

ECサイト構築を徹底解説 | 要件定義や費用相場、会社の選び方まで

モールに出店・出品

もっとも手軽な方法で、Amazonや楽天市場といったようなモール型ECサイトに自社の販売スペースを確保する方法です。自社で用意するものが少なくて済むので素早く立ち上げることができますが、利用料や販売手数料を支払う必要があります。

ASP(SaaS)

ASPとはApplication Service Providerの略で、インターネット経由でアプリケーションをサービスとして提供する事業者あるいは提供されるサービスそのものを指します。インターネット上でサービスとして提供されるソフトウェアはSaaS(Software as a Service)とも呼ばれます。

独自のシステムを開発するのではなく、すでにサービスとして提供されている仕組みを利用してECサイトを構築できるので、比較的安価ですばやく立ち上げることができます。

詳しくは「ECサイト構築手法のパッケージとASPを比較!|ASPとSaaSの違いとは」の記事でも詳しく解説しています。

オープンソース

オープンソースとはOSS(Open Source Software)のことで、無償で利用することができるソフトウェアです。無償で公開されているECシステムですので、利用料やライセンス費用を支払う必要がありません。

一方、メーカーが保証してくれるわけではないので、自社もしくは別の開発会社で責任を持ってシステムを管理する必要があります。ソースコードが全世界に公開されているため、脆弱性が発見され攻撃を受けやすいといったリスクもあります。

パッケージ

パッケージとは、機能が一通りまとまった(パッケージングされた)システムのことです。ASPは複数社で同じものを利用するのに対し、パッケージは自社独自の仕組みとしてオリジナルの環境・システムを構築することができます。

後述するフルスクラッチと異なり機能が最初から用意されていますが、自社独自のシステムとすることができるので、カスタマイズを行うこともできます。

詳しくは「ECサイトの構築で便利なパッケージを徹底比較」の記事でも解説しています。

フルスクラッチ

フルスクラッチは、ゼロからシステム構築する開発方法です。パッケージやOSSなどベースにあるものをカスタマイズするのではなく、すべての機能を開発します。

そのため自由度が高く、なんでもつくることができますが、膨大なコストが発生します。ですので、フルスクラッチがマッチするのは、既存のパッケージやOSSでは合わない独自のビジネスや、できるだけ外部の制約を受けずに成長することが求められる大規模なビジネスです。

詳しくは「そのスクラッチ開発、本当に必要?ECサイト構築前の重要確認事項」の記事でも解説しています。

ECサイトのデザインの作り方

ECサイトのデザインは売上に大きな影響を与えます。消費者に与える印象だけでなく、使いやすさに直結するからです。デザインの変更は自社で行うかデザイン会社で行うかのどちらかですが、そもそもデザインの変更にどこまで対応できるかは、構築手法によって異なります。

構築手法によるデザインの違い

モール型ECサイトやASPの場合、いくつかあるデザインテンプレートをベースに、色の変更やバナーやロゴの変更を行う形でデザインを変更できますが、あまり大きな変更はできないことが一般的です。

一方、オープンソースやパッケージは比較的自由にデザインすることができますが、例えば画面遷移を標準から変更する場合はシステム側の変更を伴うためそちらの費用も発生する場合があります。

フルスクラッチの場合はゼロからなので、デザインにおいても制約はありません。

自社で行うか、デザイン会社で行うか

ECサイトのデザイン工程は、大きく「見た目のデザインを作る」工程と「作ったデザインをhtml、cssにコーディングする」工程と、「作ったhtmlとcssをECシステムに実装する」工程に分けることができます。

社内にWebデザイナーがいる場合、デザインの作成やコーディングまでは自社で行うことができますが、ECシステムに実装する作業はシステム開発会社側に依頼する形になります。これはシステム開発会社を通さずデザイン会社に依頼した場合も同様です。

また、ECサイトのデザインは、売上拡大という目的を達成するための機能を満たすことが求められます。今風のおしゃれなデザインにするだけではなく、過去のデータをもとに分析した情報やユーザー調査をもとにしたデザインの構築が求められます。

詳しくは「ECサイトのデザイン作成・リニューアルの進め方を徹底解説」の記事でも解説しています。

ECサイトを多くの人に広める宣伝方法

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高機能で、魅力的な見た目のECサイトを用意しても、お客様が来てくれないことには始まりません。サイトへの訪問者を増やすための宣伝が必要です。宣伝には色々なアプローチがありますが、ここでは「SEO」「広告」「SNS」の3つについてご紹介します。

SEO

SEOとはSearch Engine Optimizationの略で、検索エンジンに最適化し、検索結果の上位に表示されることを狙う手法のことです。商品名で検索された際はもちろんのこと、「トレンド Tシャツ」などのキーワードでの検索結果でも上位表示されることができれば、多くのお客さまがサイトにアクセスし、商品を購入してもらうことが期待できます。

SEO対策は基本的に読み手にとって価値の高い、読みやすい情報を発信することに尽きます。ただし、ECサイトはページ数も多いだけでなく、システムが動的に作成するページの割合も多いため、システム側のテクニカルな対応も求められるます。

詳しくは「SEOに強いECサイトにするための5つのポイントを解説!」でも解説しています。

広告

企業からの一方的な情報発信である広告の影響力は低下していると言われますが、依然として多くのお客様に広く知っていただくための効果的な手段です。ECサイトの宣伝としての広告は、「Web広告」「SNS」「TV CM」「雑誌・新聞」などが一般的です。

Web広告

Web広告は、検索結果の下に表示される検索連動型広告と、サイト内の表示領域にバナーが表示されるディスプレイ広告に分けられます。

検索連動型は表示したいキーワードを設定することで、そのキーワードで検索された際に自社の広告が表示されるという仕組みの広告です。

一方ディスプレイ広告は、年齢や興味などユーザーの属性を指定し、それにマッチした人に対してバナー広告が表示されるという仕組みです。一度サイトを訪れたユーザーに表示するリターゲティング広告(リマーケティング広告)もこのディスプレイ広告です。閲覧したが購入しなかった商品の広告をリターゲティングで表示するという手法も、ECビジネスにおいては一般的です。

SNS

SNSとはSocial Networking Service(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の略で、Facebookやtwitter、Instagramなどが代表的なSNSです。

SNSは双方性のあるメディアのため、口コミなど一般消費者の声が拡散しやすい仕組みになっています。自社のアカウントで情報を発信することはもちろん、ユーザーが気に入った商品について投稿し、それがバズることもあります。

バズるためのポイントは「バズるとは?意味やTikTok・Twitter・インスタでバズる方法を解説」の記事で詳しく解説しています。

またSNSも広告メニューを用意しており、先述したバナー広告のような形で広告を表示させることもできます。

TV CM

TVショッピングも今やECサイトを運営しているのが当たり前の時代です。ですが、TVショッピングを行っていないECサイトもTV CMを打つことがあります。

例えばAmazonや楽天市場、ZOZO TOWNといった大手ECモールがセールのCMを流すこともありますし、ロコンドなどの自社ECサイトを運営する企業もCMを流しますし、実店舗もあるYogiboもCMを流します。商品やサービスを、多くの人に認知してもらうための手段としてTV CMはまだまだ有用です。TV CMと同じ素材を利用した動画広告が、YouTubeやタクシー広告で流れることもよくあります。

雑誌・新聞

魅力的で、特徴的な商品を提供するメーカーだった場合、雑誌や新聞が取り上げることもあります。それだけでなく、新聞には信頼性、雑誌にはカテゴリに特化しているという特徴があるので、どちらも認知を得るための広告面として魅力的です。

露出としては、Web広告やTV CMよりは少ないかもしれませんが、画面で見るのと実物のある媒体で見るのとでは印象が異なります。特定のターゲットに強く印象を残したい場合に適している媒体と言えるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
ECサイトは単なるショッピングサイトから、あらゆる消費者、あらゆる企業の購入体験の中心となるデジタル上のハブとなりつつあります。ユーザーエクスペリエンスの中心で、今後も伸び続ける市場です。

本記事でご説明した通り、ECサイトといってもビジネスモデルや構築方法はさまざまです。自社のビジネスに合わせて適切な方法を選択する必要があります。単にECサイトを作るだけであれば無料のサービスを使うだけですぐ立ち上げることはできますが、ECサイトの立ち上げの目的がビジネスの拡大やデジタルを活用したビジネスモデルへの変革(DX)だったとしたら、安易にコストだけで選ぶべきではありません。

当社は、1996年に日本で始めてのECサイト構築パッケージとしてSI Web Shoppingをリリースして以来25年以上、黎明期から日本国内のEC市場の拡大をご支援してきました。もし新しくECビジネスへの参入や、現行のECサイトのリニューアルを検討されているのであれば、ぜひお気軽にご相談いただければと思います。丁寧にご回答させていただきます。

また。激しく変化し続けるECサイトを取り巻く環境に対応するためのポイントをまとめた資料をご用意しています。こちらもぜひ合わせてご覧ください。

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