コラム

ecサイト構築の検討手順について

  • 2017.10.19
  • 株式会社システムインテグレータ
ecサイト構築の検討手順について

 Yahoo!ショッピングの無料化や、各社が提供するECサイト構築サービスの登場によって、ECビジネスへの参入ががグッと身近になり、ECサイトを構築する企業が一段と増えてきました。最近では今までEC事業を行なっていなかったような中小企業もこの領域に参入するようになってきています。

そのような背景もあり、2016年のBtoC EC市場は15.1兆円(前年比9.9%増)と年々拡大しており、徐々に取引量だけでなく電子商取引に参入するプレイヤーの拡大も続いています。。

引用:電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました国内BtoC-EC市場が15兆円を突破。中国向け越境EC市場も1兆円を突破

一般的にECビジネスを一定の規模から大きくしようとするEC事業者は、競合との差別化を目的に自社独自のECサイトの構築を検討します。そういったEC事業者にとって自社ECサイト構築の目的は競合との差別化なので、単純にモノを売るためのショッピングカート機能だけではもはや不十分と言えます。

EC事業者はブランドの差別化や独自のきめ細かなマーケティング、顧客エンゲージメントの強化、オムニチャネル化による優れたショッピング体験の提供など、さまざまな要求を実現出来るかどうかという観点でECサイト構築パッケージを比較・検討します。

どのようなシステムを利用してECサイトを構築するにせよ、もはや表面的な機能の差はなくなってきているので、自社の事業戦略を下支えするにあたって、機能ではなく、どのようなシステムであることが求められるかをベースに検討されるEC事業者も増えて来ています。

最近では中堅・大企業だけでなく、売上規模でいうとまだそこまで大きくない中小規模のEC事業者、あるいはメーカーが、デジタルにおけるブランド価値を高めたいという観点で自社のECサイト構築に取り組み始めています。 

そこで、今回は自社ECサイトの構築を検討し、提案を受けるにあたりどのようなことを検討すべきか、その手順について紹介していきます。

 

1.ECサイトコンセプト決め

誰に、どんな商品を、どのようにして販売し、その結果どのような利益を生みたいのか。ECサイト構築では、最初にこうしたコンセプト決めから始まります。最初の一歩として最も大切なステップであるにも関わらず、実はコンセプト決めを疎かにするケースが少なくありません。

コンセプトが具体的でないがために、どのような方法でどのようなECサイトを作るべきか、提案を受けても判断がつかないというケースは実際少なくありません。

ここでは「ECサイトコンセプト決め」という言葉を使っていますが、「自社が事業としてECビジネスを取り組む意味」、という少し広い観点から順番に考えても良いと思います。例えばコンセプトとしては、「デジタル化する顧客の購入体験にキャッチアップするため」、「売上を拡大するため」といったような抽象度の高いものをEC事業全体のコンセプトとして設定し、そこをブレイクダウンする形で「それを自社のECサイトで行う意味」というところを考えておくとシステムを検討する際にブレが少なくて良いです。

顧客に対してのデジタルなコミュニケーションはECでモノ販売するだけでなく、各種SNSなどの他の手段がありますし、ECの売上を伸ばすにしても出店(出品)するモールを増やすという他の手段があるので、「何故自社のECサイトで」というところの明確なコンセプトがあるべきなのです。 

最初にECサイトのコンセプトを規定することで、プロジェクトの進むべきゴールが明確化されます。目的が明確でなく、一貫していないプロジェクトは失敗になりがちなので、大方針とも言えるコンセプトは時間をかけてでも検討に携わるメンバー全員が腹落ちするまで考えるべきでしょう。

≪ワンポイントアドバイス≫

ブランドコンセプトなど、直接利益に関係のないコンセプトまで固めておくと、後々のプロジェクト進行がスムーズになります。

 

2.社内要件定義

ECサイトコンセプトが決まったら、どのようなシステムである必要があるか、要件を定義していきます。ここでいう要件定義は、ベンダー決定後にベンダーとともに行う要件定義ではなく、自社がパッケージやシステムを選定するにあたり、自社内でどのようなシステムであるべきかを社内で決めていくイメージです。

現行システムの機能一覧をベースに不満点や改善したい内容を洗い出していくというやり方をされるEC事業者様が多いです。提案する各ベンダーはこの機能一覧をベースに見積作業を行うことが一般的ですので、ここがどれだけ表現できているかで提案時の見積の正確性が左右されます。

また適切な提案を受けるにあたり、機能の視点だけでなく、サイトのパフォーマンスやセキュリティについても要件を検討しておきましょう。セキュリティの要求内容によっては費用の問題だけでなく、そもそも対応出来ないサービスやシステムがある場合も考えられるからです。

他にはECシステム単体で完結するケースは今や殆どなく、他のシステムとの連携がほとんど場合発生します。どのようなシステムと何をどのようにどれくらいの頻度で連携しているかについてもまとめておくと良いでしょう。

 

≪ワンポイントアドバイス≫

ECサイト構築パッケージ選定の際は、機能過多で使いづらい製品を導入してしまうケースがあります。従って、“必要な機能”だけでなく、“不要な機能”も定義するといいでしょう。

 

3.デザインコンセプト決め

自社のビジネスは、どのようセグメントのどのようなターゲットに対し、どのようなポジションニングで展開しているのかは整理されていても、自社のECビジネスの中の、自社のECサイトでは、という粒度で整理されているEC事業者様は少ない印象です。

プロダクトや企業のカラーをベースに、トレンドのデザインで出来ているというだけで、自社ECサイトを構築する目的は達成出来るかというと、実際はそうではないことがほとんどでしょう。ペルソナやカスタマージャーニーというところまでの設計は、実際の構築段階で行う形になりますが、誰に向けて何をどうアピールするためのデザインとするかは良い提案を受けるにあたり、検討段階で社内の方針を持っておくべきです。

 

≪ワンポイントアドバイス≫

ECサイトはインターネット上の店舗であり、企業やブランドの“顔”です。これを念頭に置きつつ、デザインを決定していきます。

 

4.対応デバイス決め

PC、スマートフォン、タブレット、現在消費者が手にするデバイスは多様化し、ほとんどの場合、デバイスを限定しない優れた操作性を提供する必要があります。スマホファーストがスタンダードになる一方、商材によっては依然としてPCからの購入が圧倒的に多い場合もあります。

どのデバイスからのアクセスが多いか、売上の比率はどのくらいかという情報を整理した上で、対応すべきデバイス、優先すべきデバイスを検討しておくべきです。販売する商品とターゲットについて熟知した上で、対応デバイスを決定しましょう。

 

≪ワンポイントアドバイス≫

レスポンシブデザインを積極的に検討しましょう。複数のデバイスに対し1つのソースコードで対応できるので、管理負担が軽くなります。また、場合によってはモバイルアプリの検討も必要になります。

 

5.決済方法決め

今やオンライン決済はデバイス以上に多様化しています。クレジットカード決済以外にもID決済、アップルペイ、アンドロイドペイ、デビットカード、越境ECならアリペイ、着払い、コンビニ決済など実に様々です。多くの顧客は望む決済方法が用意されていないことを知るとサイトから離脱してしまう傾向がありますので多様な決済方法に対応するに越したことはありませんが、コストも大きくなるので、バランスを考慮しつつ選定する必要があります。

 

≪ワンポイントアドバイス≫

利用者が急増しているID決済、アップルペイ、アンドロイドペイは消費者が安心して利用できる決済方法として注目されています。

 

6.配送方法決め

ECサイト運営費の中でも無視できないコストが物流コストです。物流コストの見直しを目的にECサイトをリニューアルするタイミングで異なる配送業者に切り替える、あるいは併用していくということを検討されるケースも少なくありません。

ベンダーとの要件定義前に決めることは難しいですが、複数の配送業者を利用する場合、どのような基準で配送業者を判定するのか(商品に対してなのか、エリアに対してなのか)をある程度決めておくと良いでしょう。パッケージやシステムによっては、対応出来るかどうかが分かれてくるポイントだからです。

現状何が、いくらかかって、どのようなメリットがあるのかを把握し、最適な配送方法を選択することが大切です。

 

≪ワンポイントアドバイス≫

複数の配送方法に対応し、商品によって臨機応変に対応することがベストです。

 

7.RFP(提案依頼書)発出

ここまでのステップが完了したら、いよいよECサイト構築パッケージの選定です。ここまでのポイントを押さえた上で、RFP(提案依頼書)としてまとめ、SIerやパッケージベンダーなどに提案を依頼しましょう。各ベンダーはEC事業者より発出されたRFPを元に見積、提案を行います。RFPに記載されている内容が具体的でなく、抜け漏れが多いものであればあるほど、提案の品質もバラバラになり、比較検討が非常に難しくなってしまいます。

結果コストでしか比較が出来なくなり提案時のコストで選んだ結果、プロジェクトが始まって再見積してみたらコストが膨大に膨らんでしまいプロジェクトが破綻した、という話は本当によくある話なのです。プロジェクトを成功させるためには、提案依頼の段階から自社の検討していること、やりたいことを可能な限り正確に伝えることが重要なのです。

 

≪ワンポイントアドバイス≫

詳しいポイントは「ec サイト 構築 パッケージの選び方」をご覧ください。 

 

まとめ

いかがでしょうか?

ECサイト構築を検討するにあたり、考えなくてはならないことは沢山ありますが、今回は要素に関してご紹介させていただきました。

成功のポイントは色々とありますが、ECサイト構築パッケージを提供する企業には、数多くの経験から得られたECサイト構築のベストプラクティスを持っています。そのような企業と密に連携を取りながら構築していくことも重要ですので実践してみてください。その際には弊社にお問い合わせいただけると幸いです。 

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