Webアプリの「設計工程」の重要性は?効率化に役立つツールをご紹介

 2021.07.08  株式会社システムインテグレータ

Webアプリ開発は、インターネットの普及に伴い成長してきた分野で、ニーズが非常に高いことが特徴です。DXの推進、IoTの普及など成長材料もあるため、今後もますますニーズが高まっていくことが予想されます。ですが、Webアプリというとブラウザで動作するライトなソフトウェアという印象があり、アジャイル開発において設計工程が軽視されがちな側面もあります。ですが、これはよくある勘違いでアジャイルは決して設計を軽視した開発手法ではありません。

当記事では、Webアプリ開発の開発手法から、プロジェクト成否に直結する設計工程・設計書の重要性、設計書作成業務効率化に役立つツールまでをご紹介しています。

Webアプリ開発工程・設計工程に課題を抱えている方や、開発プロセスをブラッシュアップしたい方は、ぜひ参考にしてみて下さい。

Webアプリとは?

Business woman hand typing on keyboard with application icons around

Webアプリの設計工程を解説する前に、Webアプリとは具体的にどのようなアプリを指すかについて簡単にご紹介します。

Webアプリとは、Webサーバー上で動作する、インターネットを介して利用するアプリケーションのことを指します。端的にいうと、いろんな機能がついたWebサイトです。ユーザーは、Google・Yahoo!といったブラウザ上からWebアプリを利用することができます。Webアプリの身近な例としては、Amazon・楽天等のECサイト、Facebook・Twitter等のSNS、ChatWork等のビジネスツールなどがあります。ブラウザで動作するSFAやCMSもWebアプリの1種です。

このように、Webアプリは大小さまざまな種類の製品がリリースされており、私たちのビジネス、プライベート問わず、さまざまなシーンで利用されています。

ネイティブアプリとの違い

Webアプリというと「アプリ」とついているので、いわゆるスマホアプリと勘違いされがちです。スマホのブラウザ上で動作するWebアプリもありますが、スマホにインストールして使うアプリは「ネイティブアプリ」といい、両者はそもそもの仕組みが異なります。

ネイティブアプリはアプリケーション自体をスマホやタブレットといった端末に直接インストールして、端末上で動作します。オフラインでも動作可能なものもあり、ブラウザ環境に依存しないため動作が高速であることが特徴です。

ネイティブアプリの例としては、LINE・QuickPay・ポイントアプリ・ゲームアプリなどが挙げられます。

近年では、ブラウザ上でも端末上でも利用可能な、Webアプリとネイティブアプリの機能をあわせ持つハイブリッドアプリも登場しており、広まりつつあります。

Webアプリ・ネイティブアプリ両者ともスマホアプリに分類されがちな傾向がありますが、実際は上記のような違いがあるため、明確に違いを把握しておきましょう。

Webアプリの開発手法は?

Webアプリの開発では、主にウォーターフォール開発とアジャイル開発という2つの方法が用いられています。

両者の開発方法は、手法もプロセスも大きく異なるため、Webアプリ開発の全体像を理解するためには、それぞれの手法の特徴と違いを明確に把握しておくことが重要です。

ここでは、ウォーターフォール開発とアジャイル開発の概要についてそれぞれご紹介します。

ウォーターフォール開発

ウォーターフォール開発とは、「企画・計画→要件定義→設計→実装→テスト」と開発のプロセスを段階的に進めていく開発方法です。上流工程から下流工程に流れるように進めていくことが、名称の由来となっています。

ウォーターフォール開発は古くから用いられてきた手法で、予算やスケジュールの管理が行いやすい堅実さが特徴です。

しかし、一度次の工程に進めてしまうと基本的に後戻りが難しいため、上流工程での要件定義・設計を高い完成度で行うことが、プロジェクト成功の鍵となります。

ウォーターフォール開発は、元来中規模~大規模のシステム開発に用いられてきた経緯があり、Webアプリ開発においても中規模~大規模の開発で多く用いられています。

アジャイル開発

アジャイル開発とは、機能単位に分けられた「計画→設計→実装→テスト」といった開発のプロセスを、短期間で繰り返し行いプロジェクトを進めていく開発方法です。

はじめに厳密な要件定義を行う必要が無く、重要な機能から優先的に着手できる点や、クライアントに進捗を確認しながら開発を進めていけることが特徴です。その反面、プロジェクトの予算やスケジュールを事前に見積もることが難しいことがネックとなります。

アジャイル開発はその特性から、仕様追加や仕様変更が予想されるプロジェクトや、スピーディーなリリースを求められるプロジェクトに適しており、スタートアップ企業やベンチャー企業のWebアプリ開発で多く用いられています。

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Webアプリの開発フロー

double exposure of new modern laptop computer with businessman hand working and business strategy as concept-1

ここでは、Webアプリの開発フロー(開発の流れ)を解説します。以下に解説する開発フローは、上述でご紹介したウォーターフォール開発・アジャイル開発どちらの方法を行う場合においても、知っておく必要がある内容となります。

Webアプリ開発の全体像や業務内容について理解を深めるためにも、ぜひ参考にして下さい。

要件定義

Webアプリ開発の企画が通り、プロジェクト立ち上げが決まったら、要件定義を行います。要件定義とは、開発する目的や必要となる機能を明確化して、どのようなWebアプリを作成するかを決定する工程です。

要件定義で明確化すべき内容には、主に以下が挙げられます。

クライアント、Webアプリのユーザー(利用者)の要求

要件定義においてはクライアントの要望・要求・要件を明確にヒアリングし、まとめることが重要となります。その要望・要求・要件の解決策を決め、双方の合意を形成することが要件定義のゴールとなります。

また、Webアプリは、そもそもユーザーに支持されなければ開発する意味がありません。そのため、要件定義においてはまずユーザーが求めているニーズやウォンツを明確に洗い出すことが重要となります。

このプロセスをいかに突き詰めるかによって、Webアプリをリリースした後の結果が大きく左右されます。

Webアプリの開発目的

Webアプリには、収益化を目的としたものや、業務効率化を目的としたものなど、作成するアプリによって目的が異なります。また、目的によってアプリに求められる機能・要件も異なります。

目的を明確化しておくことが、Webアプリの目的達成度に大きく影響するため、要件定義の段階でよく検討しておきましょう。

Webアプリに必要な機能

Webアプリの目的やユーザーの要求を明確化したら、それを実現するために必要な機能を明確化します。

後の設計工程にもつながるため、要件定義においても重要な作業となります。

外部設計

外部設計とは、要件定義で決定した内容を基に、Webアプリの操作画面・操作方法といったUI(ユーザーインターフェース)や、アプリを動かすプラットフォーム、セキュリティや運用ルールといったユーザーを対象とした仕様を設計する工程です。基本設計とも呼ばれます。

外部設計では、具体的には以下のような設計を行います。

・画面設計
開発するWebアプリにどのような画面・パーツ・デザインを搭載するかを設計します。

・方式設計
開発するWebアプリに必要となるインフラ・フレームワーク・プログラミング言語や、セキュリティ方針・コーディング方針などを決めます。

・機能設計
開発するWebアプリの要件定義で決定した機能を実現するために、必要な条件や動作などをリストアップします。同時に、バックグラウンドでの処理も決定します。

内部設計

内部設計とは、外部設計で決定した内容を基に、ユーザーからは見えないシステム内部の動作・機能を設計して、実際にプログラミングできる内容に詳しく落とし込む工程です。詳細設計とも呼ばれます。

内部設計では、以下のような設計を行います。

・モジュール設計
Webアプリの機能実装に必要なモジュールの選定や分割を細かく設計します。

・データ設計
Webアプリのデータを保存するデータベースの選定・データ処理の流れ・データの保存場所などの細かい設計を行います。

・プログラム設計
設計した内容を実装できるように、プログラミング可能なレベルまで詳しく設計します。具体的には、実装内容・手順をドキュメントに直した設計書の作成等を行います。

外部設計と内部設計の違いについてはこちらの記事でも詳しくご紹介しています。
外部設計書と内部設計書の違いとは?作成ポイントまで゙解説!

プログラミング

外部・内部の詳細な設計までが完了すれば、いよいよ設計書に従ってプログラミングを行う実装工程へと移ります。

実装工程では、適切なプログラミング言語やフレームワークを活用して、設計書に記載された条件や処理を忠実に作り込んでいきます。

実装工程で中心となって活躍するのが、プログラマーです。

テスト

テスト工程では、実装したプログラミングが設計通りに正しく動作するかの確認を行ないます。

テストには、モジュール単位・画面単位で動作確認を行なう単体テストと、Webアプリの実際の利用シーンを想定して一連の動作確認を行なう結合テストがあります。

テスト工程を通過すれば、実際に稼働させるサーバーにWebアプリを配備するリリース工程へと進みます。

Webアプリ開発で重要な「設計工程」

business documents on office table with laptop computer and graph financial diagram and man working in the background-1

Webアプリ開発の設計工程は、Webアプリの完成度やクオリティ・後の開発工程の精度や効率・リリース後の運用フェーズにまで大きな影響を及ぼすため、Webアプリ開発において要となる工程です。

設計工程を疎かにしては、Webアプリ開発のプロジェクトが成功することはまず考えられないでしょう。

ウォーターフォール開発では、上流工程に位置する設計工程の重要性は言及するに及びませんが、アジャイル開発においても各機能の開発に着手する前の設計工程は重要なプロセスとなります。

設計工程では内容を突き詰めると同時に、決定した内容を設計書に落とし込む作業も重要となります。

Webアプリ開発の設計書について、続いて以下に解説します。

Webアプリ開発で発生する「設計書」

Webアプリの設計工程の重要性は上述の通りですが、設計工程の成果物でありプロジェクト全体の進捗にも重要となるドキュメントが、各種仕様書・設計書です。

ここでは、Webアプリ開発における設計書の必要性・作成のポイントについて解説します。

設計書の必要性

Webアプリ開発において設計書の必要性が高い理由は、開発時は勿論その後の運用時に至るまで、大きなメリットがあるからです。

ここでは、Webアプリ開発で設計書を作成するメリットについて解説します。

Webアプリの内容を共有できる

設計書を作成する最大のメリットは、開発するWebアプリについての情報を、メンバー間で共有できることです。

Webアプリ開発は、通常複数のメンバーで行うことが多いでしょう。メンバー全員が共通の情報を持ち、認識をすり合わせておくことで、開発精度や開発効率を高めることができます。

また、外部の協力企業やクライアントとWebアプリの情報を共有する際にも、役立てることができます。

保守・運用の負担軽減

Webアプリは開発して終わりではなく、リリース後も保守・運用でソースコードを触らなければならない機会が多くあります。しかし、保守・運用に携わるメンバーは開発時のメンバーと同じであるとは限らず、むしろ異なるケースの方が多いでしょう。

そのため、Webアプリの設計書が無ければ、保守・運用に携わるメンバーが修正やメンテナンスを行う際に、仕様や機能を把握する負担が増えてしまいます。

開発に携わったメンバー以外でも、Webアプリの仕様や機能をスムーズに把握して保守・運用に対応するためにも、設計書を作成して保管しておくことの重要性は非常に高いといえるでしょう。

設計書作成のポイント

Webアプリ開発において設計書の必要性が高いことは確かですが、ただ作成すれば良いのではなく、上記の課題を解決可能なプロジェクト推進に役立つ設計書を作成することが重要です。

ここでは、Webアプリ開発における設計書作成のポイントについて解説します。

Webアプリの開発目的を明確化する

設計書は勿論Webアプリ開発のために作成するドキュメントですが、Webアプリの開発と一言にいってもプロジェクトによって新規開発・バージョンアップ・追加開発など目指すべきゴールは異なります。また、ゴールによって設計書を読むメンバーや用途も異なってきます。

そのため、設計書を作成する際には、Webアプリの開発目的をまずは明確化して、目的に合わせた内容で作成することが重要となります。

目的を意識して設計書を作成する事によって、設計書の有用性は高まり生産性向上や業務効率化にも大きく寄与するでしょう。

読み手を考える

設計書は、設計工程で決定した内容を記録するだけでなく、開発メンバーやクライアントと情報を共有する目的で使用されるドキュメントです。

そのため、設計書を作成する際には、設計書を読む人が内容を理解しやすいように作成することが非常に重要となります。

作成者しか分からなかったり他の人が理解するのが難しかったりすると、開発途中で都度設計書の作成者に確認を行なわなければならず、生産性の低下や認識齟齬が発生します。

設計書を作成する際には、必ず読み手を意識し、誰が見ても同じ内容を理解できるように作成することを忘れないようにしましょう。

開発予算を考える

Webアプリ開発は設計書に従って実装を進めるため、設計書に記載する内容は開発予算の範囲内に収まっていることが前提です。

もし開発予算を意識していない設計書を作成すると、開発を進める途中で予算が足りなくなり、設計段階で意図した要件・機能をすべて実装できなくなったり、開発自体が頓挫してしまうこともあります。

そのため、設計書を作成する際には、開発予算を必ず考慮することが必須となります。

設計書の書き方についてはこちらの記事でも詳しくご紹介しています。
基本設計・詳細設計とは?仕様書との違いは?企業の設計課題を解決する方法

アプリ開発の設計書作成で起こりうる課題

Webアプリ開発の設計書は重要であり大きなメリットがありますが、作成にあたっては以下のような課題に直面する場合があります。

・WordやExcelといった汎用ツールで作成しているため、手間と時間がかかる
・明確な作成ルールや統一されたフォーマットが無いため、属人化が発生する
・作成した設計書の適切な管理ができておらず、情報共有や開発業務に活かせていない

苦労して作成した設計書でも、使い勝手が悪かったり、開発業務に上手く活用できなかったりしては、その有用性や効果性を発揮できません。

このような課題をまとめて解決できるのが、弊社の設計用CADツール「SI Object Browser Designer」です。同ツールには、以下のような特徴があります。

・豊富なテンプレートとフォーマットで設計書作成を効率化できる
・各種仕様書・設計書の作成を支援する充実した機能を搭載
・Webアプリに必要なドキュメントをデータベースで管理できる
・設計工程を標準化できるため属人化を防げる
・設計工程の業務負荷軽減・業務時間短縮を実現できる

Webアプリ開発の設計工程で課題を抱えている方や、業務をブラッシュアップしたい方は、ぜひ弊社の「SI Object Browser Designer」をご検討下さい。

まとめ

Webアプリ開発の全体像ならびに設計工程の重要性についてご紹介してきました。

設計工程の成果物である設計書については、弊社のCADツールを活用することで多くの企業が直面する課題を解決できるため、設計工程業務の合理化・効率化に繋げることが可能です。

弊社では、生産性・品質の向上に繋がる実践的な設計書の書き方について、設計書テンプレート付のガイドブック資料を提供しています。Webアプリ開発の設計書作成でお悩みの方は、ぜひご活用下さい。

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