本連載は、設計書ジェネレータ「SI Object Browser Designer(以下、OBDZ)」を使ってソフトウェアの設計書(仕様書、基本設計書、詳細設計書)を作る講座です。今回は、OBDZの設計書リバースAIである『AISIA-DR』のデモサイトについてご紹介します。
『AISIA-DR』デモサイトでの検証方法
『AISIA-DR』とは既存のExcel設計書やスクリーンショット画像からOBDZの設計書データとして取り込むことのできるOBDZのAIオプションです。当AIにより、「OBDZを導入したいけど既存の設計書資産(Excel)が沢山あるので移行しないといけない」という課題を解決することができますが、いざ導入を検討するとなると「どのぐらい精度があるのか?」は気になる点だと思います。そこで以下に精度を確認できるWebのデモサイトをご用意しています。
画面1.AISIA-DRデモサイトの画面
![]() OBDZ評価版では、AISIA-DRと連携して設計書をつくるところまでを試すことができますが、5回までの実行制限があります。当デモサイトはAIの認識率の確認のみとなり、設計書までは生成できませんが、何度でもお試しできます。 |
使い方は非常に簡単です。まず、画像の欄をクリックします。
画面2.AISIA-DRデモサイト(上部)
画像を選択するダイアログが表示されますので、解析したい画像を選択します。指定可能な画像形式はJPG/GIF/PNGのいずれかになります。
画面3.ファイル選択ダイアログ
その後、下の方にあります「認識する」というボタンをクリックします。
画面4.AISIA-DRデモサイト(「認識する」ボタン)
これで完了です。指定した画像が解析されますのでしばらくお待ちください。なお、手元によい画像がない場合は、このボタンの上に並んでいるサンプル画像をクリックして解析することもできます。いずれも弊社のパッケージのサンプル画像となりますが、デスクトップやWebアプリ、モバイルなど一通りご用意していますので、自社のアプリケーション画像に近いものを選択してください。
解析結果は以下の通りです。
画面5.AISIA-DRの解析結果
画像内に複数のカラフルな枠が囲まれていますが、これは検出されたコントロールおよびその種類を表しています。例えば青が「ラベル」、赤は「テキストボックス」、緑は「ボタン」となります。上記例では、ほぼすべてのコントロールが正しく認識されていることがわかります。
![]() また、この解析結果に「レスポンス(JSON)」という欄も表示されます。これは、上記解析結果の文字列データです。AISIA-DRは現状OBDZのオプション製品となりますが、他の製品とも連携しやすいように、JSON形式で返すAPI形式となっています。 |
![]() また、デモサイトではお試しいただけませんが、AISIA-DRには「追加学習機能」があります。これは、初期の結果が間違っていてもユーザーが訂正をすることで解析精度を上げる機能となります。詳しくは第33回でご紹介しています。 |
『AISIA-DR』デモサイトのオプション
基本的な使い方は以上ですが、デモサイトでは2つの実行オプションを用意しています。これらのオプションは画像を指定する箇所の右側で設定変更できます。うまく解析できなかった場合にこのオプションを変更するとうまくいく場合があります。
画面6.AISIA-DRのオプション
それぞれのオプションの内容は以下の通りです。
①背景色の指定
画像の背景色の指定オプションです。既定では自動判定となりますが、背景色の領域が少ない場合などに判定がうまくいかないケースがあります。その場合は手動で指定します。背景が1色の場合は「背景色を指定」で指定して問題ありませんが、背景がグラデーションとなっている場合や、単色でも画像が荒い場合に認識結果が悪くなる場合もあります。その場合は「しきい値を指定」を設定し、基準となる濃さを1~255の範囲で指定します。
図1.背景色の指定オプション
②文字列の結合設定
ラベルやラジオボタンなどの文字列系コントロールを検出する際の、各文字の離れている間隔を指定するオプションです。 例えば以下のようにラベルの文字間隔が離れていて2つのラベルとして認識されてしまった場合はこの数値を上げることで1つのラベルとして認識させることができます。
図2.文字列の結合の指定オプション
この数値を上げすぎてしまうと別々に認識させたいオブジェクトがくっついてしまう場合もありますので、対象の画像により適宜調整してください。
いかがでしたでしょうか。なお、デモサイトでは送信された画像データは弊社で保持しないようになっています。ぜひ自社のシステム画面で実際にお試しいただければと思います。
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