設計の手戻りミスを防止する

 2019.08.22  株式会社システムインテグレータ

設計の手戻りミスの原因

システム開発の失敗要因として1番多い原因は「手戻り」でしょう。特に上流工程でミスがあるほど影響範囲が大きくなってしまうためその対応コストも膨れ上がってしまいます。その具体的な要因として、「ベンダーが業務を理解していない」「顧客から要件を十分にヒアリングできない」ということが挙げられますが、これらが十分にできていても失敗することがあります。それは「トレーサビリティ」ができているか?ということです。

設計の手戻りミス防止に重要な「トレーサビリティ」

トレーサビリティは日本語訳すると「追跡可能性」のことです。つまり、製造業で言えば、製品とどの原材料を使って生産されるのか、その原材料の在庫はどのぐらいあっていつ・どの業者から仕入れされるか?という情報のことです。

これを明確にしておくことで、後で仕様変更があった場合の影響範囲を明確にすることができます。IT業界でいえば、要件と設計書、設計書と対応するソースコード、ソースコードと担当者、障害と担当者などの情報があてはまるでしょう。

このうち、下流工程の成果物であるソースコードや障害関連でいえば、プロジェクト管理ツールなどで登録ができますが、上流工程、つまり要件との紐づけにおいてはツールもなく、個々のスキルに依存していることも多いです。そこで、標準テンプレートを定義することで属人化を防ぐことで、全社的に赤字プロジェクトを減らすことができます。

テンプレート化して設計の手戻りミスを防ぐ

以下は当社の要件定義書テンプレートです。

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左端は「要件番号」となっており、要件ごとに記載するものとなっています。また、「件名」に要件を一言にまとめた概要を簡潔に書き、具体的な内容は「内容」に書きます。トレーサビリティ項目として設計書が特定できる「設計書ID」、また、お客様用に資料をもらった場合は「関連資料ファイル名」があります。このように要件と紐づけておくことでミスを防止することができます。

また、内容とは別に「背景」という項目も設けています。これは、なぜこのような要件が必要なのかという理由欄になります。例えば「商品の売上状況を把握したい」という要件に対して、具体的に知りたい項目は何か?夜間のバッチにしてよいのか?それともリアルタイムにしてよいかなど、後工程を実施する際に必要な情報が網羅されていないことがあります。もし、「背景」の列に「地方の店舗によっては、タイムリーに商品の補充ができておらず、受注損失がある」と書かれていれば、「じゃあ店舗へ商品を発送時間までに店舗ごと、商品ごとの出荷数がわかればよい」ということがわかりますし、地方の店舗はシステム化の対象外になった場合はじゃあ、「この要件もなくしてもいいよね」と提案することができます。

このような背景は顧客に直接ヒアリングした人は覚えていても、現場の方に伝えきれないことで無駄な手戻りのミスがよく発生します。そのため、内容とは別に必須で各項目として設けています。このように成果物だけでなく背景なども含めてトレーサビリティができるとより手戻りミスを防止することができるでしょう。

こちらのテンプレートは一例ですが、スキルによる属人化を防ぐためにもテンプレートで標準化することが望ましいでしょう。ぜひ自社にあったテンプレートを定義してはいかがでしょうか。

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