設計品質はなぜ重要なのか?ソフトウェア開発設計の品質を維持するコツ

 2021.07.08  株式会社システムインテグレータ

設計書の品質は、設計工程以降の製造、テストなどの下流工程の生産性や運用・保守の効率に大きな影響を与えます。十分な情報がなかったり、読み取りづらかったり、そもそも間違えがあるような設計書では、クライアントが満足するシステムを納期に収め、利益を上げることができません。

当記事では、ソフトウェア開発で活用する設計書の概要、設計書の必要性、設計書の品質にフォーカスして解説します。

設計書の必要性や品質について理解を深めたい方や、ワンランク上のソフトウェア開発を目指したい方は、ぜひ参考にしてみて下さい。

ソフトウェア開発の設計書とは?

High Quality Digital Media Asset

ソフトウェア開発に用いられる設計書は、複数の種類があり、実際の現場ではソフトウェアの内容や設計工程のフェーズに応じた設計書が使用されています。

ソフトウェア開発の代表的な設計書には、以下のようなものがあります。

・仕様書

ソフトウェア開発に求める事柄をまとめた書類

・要件定義書
開発するソフトウェアの内容についてクライアントと合意するための書類

・外部設計書
基本設計書とも呼ばれるソフトウェアの全体像を設計した書類

・内部設計書
外部設計書を基に作成する詳細で具体的な設計内容を記述した書類

・プログラム設計書
内部設計書を基にプログラミングを行なうために書かれた書類

・テスト仕様書
実装後のテスト方法やテスト手順を記した書類

ソフトウェア開発の現場においては、システムエンジニアが各種設計書の作成を行い、設計書を基にプログラマーがコードを書いて実装を行い、ソフトウェアの完成を目指します。

ソフトウェア開発で用いられる設計書は、開発プロジェクトを進行するための地図のような存在であるといえます。

ソフトウェア開発で設計書の作成は必要?

ソフトウェア開発における設計書の概要についてご紹介しましたが、実際には上記全ての設計書を作成するとは限らず、企業の方針やプロジェクトの内容によって設計書に対する考え方や活用方法は異なります。

ソフトウェア開発において、各種設計書は必ず作成しなければならないのか疑問に感じる方もいるのではないでしょうか。

ここでは、ソフトウェア開発における設計書作成の必要性について解説します。設計書が作成される目的や、理由について理解しておきましょう。

ソフトウェア開発のイメージ共有

ソフトウェア開発は、複数人で協力しながら行われるため、メンバー間で開発工程や完成イメージを共有しておくことは、プロジェクトの成功のためにも、スムーズな作業のためにも非常に重要です。また、クライアントとのイメージ共有を行っていくことも、同じく重要だといえます。

仮に設計書を作成せずに、口頭で共有するとしたら、膨大なコミュニケーションが必要となり、コミュニケーションエラーも多発、イメージの共有は非常に困難となるでしょう。特に、複数人が携わる中~大規模プロジェクトにおいてはほぼ不可能です。

しかし、開発フェーズに応じた設計書を作成すれば、情報・イメージの共有を容易に行うことができます。各種設計書の作成は手間と時間が掛かりますが、プロジェクト全体への影響を考慮すると、作成しておいた方がはるかに生産性が高まるといえるでしょう。

ソフトウェア開発のメンバーならびにクライアントとのスムーズなイメージ共有・情報共有を可能とするためにも、設計書は必要だといえます。

的確な指示のため

ソフトウェア開発では、的確な指示を出し、設計工程で意図した通りに、忠実にコーディングを行うことも重要です。

各種設計書はプログラマーへの的確な指示出しを兼ねており、ドキュメントで支持を伝えることで指示出しの確度を高め、労力を削減する役割を持ちます。

もし設計書無しに実装を進めたとしたら、先に述べたイメージ共有と同じく膨大なコミュニケーションが必要となり、コミュニケーションエラーも多発するでしょう。

指示出しの労力を削減して確度を高めるためにも、設計書を作成することは必須です。

保守管理のため

ソフトウェアは初期の状態のまま運用され続けるケースは少なく、障害対応や機能や性能の追加・改善といった保守・管理を繰り返しながら運用されることが一般的です。

しかし、開発メンバーと保守・管理メンバーは異なることが多く、設計書が無ければ何かしらの対応が発生するたびにソースコードを解析しなければならず、膨大な時間と労力が必要となるため非効率です。

ソフトウェア開発時の設計書があれば、保守・管理に携わるメンバーも開発時の仕様や要件といった情報を共有することができます。

保守・運用・管理の際に、担当者がソフトウェアの仕様や内部構成をスムーズに把握して対応するためにも、設計書を作成して残しておくことは必須といえるでしょう。

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設計書は品質が重要?

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設計書の必要性については先にご説明した通りであり、ソフトウェア開発において必ず作成すべきものです。ただし、「ただ設計書を作成する」だけでは、その有用性も効果性も充分に発揮できるとはいえません。

開発は、原則として設計書に従って進められるため、設計書の品質はソフトウェアの品質に直結します。そのため、安定した品質のソフトウェアを開発するためには、設計書にも高い品質が求められるのです。

ここでは、ソフトウェアの品質が担保されていない場合に起こりうる問題や懸念されることについて解説します。設計書の品質の重要性を理解するためにも、ぜひ参考にして下さい。

設計書の品質に問題がある際の懸念

設計書の品質に問題がある場合、実装(コーディング)の工程に大きな影響を及ぼします。

しかし、実際には実装工程だけでなく、テスト工程やリリース後の保守・管理など、ソフトウェアの開発から運用まですべての業務に影響を及ぼすことが実状です。結果としてソフトウェアの品質にもダイレクトに影響します。

設計書の品質に問題がある場合、具体的にどのようなことが懸念されるかを以下に見ていきましょう。

コストの増加

設計書の品質が低いと、実装時に不明瞭な部分の作業が滞ったり、コーディング中に不備が見つかり工程の後戻りが発生したりと、生産性の低下につながります。

場合によっては、ある程度進行した実装工程で見つかった設計書の不備は、内容次第では後戻りできないこともあります。また、設計時に漏れていた内容が実装時にも見落とされ、そのままリリースされてしまうこともあるかもしれません。

このように、設計書の品質は開発工程のスムーズな進行やソフトウェアの完成度に直結するため、低品質な設計書で開発を進めてしまうと不要な手順が増加して、開発コストも嵩んでしまいます。

保守管理の工数増加

ソフトウェアリリース後の保守管理において設計書が必要であることは前章で述べた通りですが、設計書の品質に問題があると開発時だけでなく保守管理を行う際にも業務が滞り、スムーズな対応ができません。

保守管理に携わるメンバーは、開発に携わっていないことも多く、修正や改修といった対応が発生した際に頼れるのは設計書だといえます。

その際、設計書の品質が低いと、ソフトウェアの仕様や問題個所の把握が困難となり、作業の遅延につながります。

このように、設計書の品質が低いと保守管理においても工数の増加を招く要因となるため、設計書の品質を一定以上に担保することは非常に重要です。

テスト品質の悪化

ソフトウェア開発の品質を左右する要素は、上質な設計と設計内容を忠実に実装することですが、その品質を保証するのはテスト工程です。テスト工程においては、設計書に記載された内容を基に、機能や動作が意図した通りであるかをチェックします。

そのため、テスト工程で品質を保証するためには、設計書の品質が確かなものであることが前提となります。設計書の品質が低いとテスト工程で厳密なテストを行うことができず、不具合や欠陥を検出することが難しくなるため、品質を保証することができません。

テスト工程でソフトウェアの品質を確保しようとする考え方もありますが、設計書をあてにせずに品質を確保しようとすると、その場でテスト要件を見いださなければならないため、余程の熟練者でないと難しいでしょう。また、可能であったとしても多くの作業と時間を要します。

テスト工程でソフトウェアの品質を保証するためにも、工程をスムーズかつ確実に行うためにも、設計書の品質を担保しておくことは重要です。

設計書の品質を維持するために必要な取り組み

Group of casual artists working at desk in the creative office

ソフトウェア開発において、設計書の品質がいかに重要であるかをご説明しました。

しかし、設計書の品質が重要であるといっても、実際にどのような方法で品質を確保・維持すればよいか分からない方もいるのではないでしょうか。

ここでは、設計書の品質を確保・維持するために必要な具体的な取り組みについてご紹介します。

品質維持の必要性を共有する

設計書の品質を確保・維持するためにまず行うべきことは、設計工程・設計書作成に携わるメンバーに、品質確保・維持の重要性・必要性を認識させることです。

当記事でご紹介した内容でも勿論構いませんし、自社で過去に設計書の品質が原因で失敗した事例を共有する方法もおすすめです。

設計工程・設計書作成に携わるメンバーが、根拠に基づいて設計書の品質の重要性を認識することで、実際に作成する設計書の内容や品質確保・維持のモチベーションも高めることができます。

ソフトウェア開発設計用CADツールの導入

設計書の品質を確保・維持するにあたって直面する課題が、品質を求めるとより多くの時間と労力が必要となる点です。特に、仕様変更や保守・管理の際の修正・変更に役立つクオリティを求めるためには、モジュール関連を明確にすることが重要となりますが、非常に煩雑で多くの工数が必要となります。

このような課題を解決する方法としておすすめなのが、設計書作成専用のCADツールを活用することです。

CADツールを活用することで、設計書作成業務を効率化・合理化して時間と労力を低減できるため、品質を追求するリソースを確保することができます。また、品質の確保・維持をサポートする機能も搭載されています。

おすすめの設計書作成専用のCADツールについて、続けて以下にご紹介します。

Object Browser Designer

ソフトウェア開発に欠かせない設計書作成の合理化・効率化ならびに品質向上を図りたい場合、弊社の設計用CADツール「SI Object Browser Designer」をご活用ください。

同ツールであれば、設計書作成および品質の確保・維持を実現する以下のような特徴があります。

・豊富なテンプレートとフォーマットで設計書作成を効率化できる

・各種仕様書・設計書の作成を支援する充実した機能を搭載

・Webアプリに必要なドキュメントをデータベースで管理できる

・設計工程を標準化できるため属人化を防げる

・設計工程の業務負荷軽減・業務時間短縮を実現できる

WordやExcelといった汎用ツールでの設計書作成では、多くの問題や課題が発生して設計書の品質まで追い求めることは困難です。

設計書作成書業務の効率化・合理化・標準化を行い品質の確保・向上・維持を図りたい方は、ぜひ弊社の「SI Object Browser Designer」をご検討下さい。

まとめ

ソフトウェア開発においては、設計工程で設計書を作成しておくことがいかに重要であるかをご紹介してきました。また、ただ作成するのではなく、その品質が重要であるということも理解いただけましたでしょうか。弊社の設計用CADツール「SI Object Browser Designer」であれば、設計書作成・管理業務を標準化して、工数削減や品質の維持など設計書に関する多くの課題を解決することができます。

弊社では、システム開発・ソフトウェア開発の設計工程・設計書作成業務に役立つ資料を公開しています。無料でダウンロードできるので、設計書に関する課題を抱えている方は、ぜひチェックしてみて下さい。

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