ビジネスアイデアコンテストとは?代表例や参加するメリットを解説

 2023.01.26  株式会社システムインテグレータ

学生から社会人まで年齢・立場に関わらず、自身のビジネスアイデアをカタチにしてみたい方は多くいます。しかし、良いビジネスアイデアが見つかっても、実際に起業する機会に恵まれないという方は少なくありません。

そのような方におすすめなのが、ビジネスアイデアを競い合うイベント「ビジネスアイデアコンテスト(ビジコン)」へ参加することです。

当記事では、ビジネスアイデアコンテストの概要・参加メリットから、国内外で開催されている代表的なビジコンまでご紹介していきます。自身のビジネスアイデアを評価されたい方や、実際にビジネスを立ち上げてみたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

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ビジネスアイデアコンテストとは

ビジネスアイデアコンテストとは

ビジネスアイデアコンテスト(ビジコン)とは、企業・団体・官公庁等が主体となって開催し、参加者が用意してきたビジネスアイデア(ビジネスプラン)を審査・評価するコンテストのことです。

ビジコンには一般参加者を募るオープンなコンテストと、規模の大きな企業等が社内で実施するコンテストがあります。

前者の場合は、上質なビジネスアイデアを表彰したり賞金を付与したりといったイベント的な目的と、有力なアイデアに対しては事業化の支援を行う目的があります。

後者は社内公募制度とも呼ばれており、自社内のアイデアを新規事業としてプロジェクト化することを主な目的としています。例えばリクルート社が実施している社内ビジネスコンテスト「NewRING byRMP」からは、ゼクシィやスタディサプリなどの人気事業が生まれています。

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ビジネスアイデアコンテストに参加するメリット

ビジネスアイデアコンテストに参加するメリット

ビジネスアイデアコンテストは、主催者・スポンサー側だけでなく、参加者にとってもたくさんのメリットがあります。メリットをうまく活かすことができれば、大きなチャンスを手にできる可能性もあります。

ここでは、ビジネスアイデアコンテストに参加することで得られる主なメリットについてご紹介していきます。

金銭的な援助が受けられる

ビジネスアイデアコンテストに参加する代表的なメリットは、自分たちのビジネスアイデアが審査で評価されれば、次のようなさまざまな支援や援助を受けられる可能性があることです。

  • ビジコン入賞者に付与される賞金・協賛金
  • 協賛企業からの出資や各種支援
  • ビジコンに注目した視聴者からの協力やオファー

これからビジネスを立ち上げたいと考えている方にとっては、このような支援・援助は強力な後押しとなるでしょう。

ビジコンの参加者には、入賞するだけではなくこのような特典を活かしてビジネスを実現するために参加する方も多くいます。

認知度が高まる

ビジネスアイデアコンテストに参加すると、受賞できた場合はもちろん受賞できなかった場合においても、ビジネスアイデアコンテストに参加したという実績が得られます。

そのため、実際にビジネスを行う際にビジコン参加者として認知度を高めた状態でスタートすることができます。

認知度が高まれば、ビジネスパートナーやクライアントを獲得しやすくなるため、ビジネス立ち上げ初期の、一般に認知されていない事業者にとっては大きなアドバンテージとなります。

新規事業立ち上げ初期に認知度の低さで苦労する事業者は多いため、認知度を高められることはビジコンに参加する大きなメリットと言えるでしょう。

事業内容に対するアドバイスが得られる

ビジネスアイデアコンテストに参加すると、自分たちが考えたビジネスアイデアに対して、コンテストの審査員からアドバイスを受けられることもメリットのひとつです。審査員には著名な方・実力のある方・経験豊富な方などが多く参加しているため、ビジネスプランを実現するための有力なアドバイスや貴重な意見を得ることができます。

一般的に無名の事業者が考えたビジネスアイデアが、有力者からアドバイスを受ける機会は滅多にありません。ビジコン参加によりアドバイスを得られることは、自分たちが考えたビジネスを実現したいと考えている方にとって非常に大きなメリットと言えるでしょう。

イノベーションにつながる

ビジネスアイデアコンテストに参加する最大のメリットとも言えるのが、イノベーション(オープンイノベーション)に繋がる可能性が高いことです。ビジネスアイデアをビジコンに持ち込むことにより、主催者やほかの参加者、協賛企業など多くの人々の目に触れ、接点を持つことができます。

参加者のビジネスアイデア単体では事業化が難しい場合も、外部の協力や支援が加わることでシナジーを発揮できる場合も少なくありません。

このようにイノベーションに繋がる要素が多くあることは、ビジコンが持つ最大の価値であり、参加者にとっても有益なメリットと言えるでしょう。

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主なビジネスアイデアコンテストの例

主なビジネスアイデアコンテストの例

ここまでご紹介したビジネスアイデアコンテストの概要を読んで、興味を持った方や参加したくなった方もいるのではないでしょうか。

続いて、国内の代表的なビジネスアイデアコンテストをご紹介します。コンテストによって特典や参加メリットが異なるため、興味を持った方は各コンテストの特徴を把握しておくことをおすすめします。

Japan Venture Awards

Japan Venture Awardsは、革新的な事業・成長力の期待できる事業・社会的課題解決に繋がる事業を営むベンチャー企業経営者を称える表彰制度です。

同制度は、現に起業している経営者を対象としたイベントであるため、厳密にはビジネスアイデアコンテストではありません。

しかし、創業して間もないベンチャー企業から新規事業に取り組むベンチャー企業まで多数受賞しており、広く紹介されることでビジネスの促進や認知拡大に繋がっているため、ビジコンへの参加と同じようなメリットを得ることができます。

協力・後援を行っている企業・団体も有力なので、ビジネスアイデアコンテストに興味がある方は、Japan Venture Awardsについても視野に入れておくとよいでしょう。

日経ソーシャルビジネスコンテスト

日経ソーシャルビジネスコンテストは、日本経済新聞社によって開催されている、ソーシャルビジネスの健全な発展・理解促進を目的としたビジネスアイデアコンテストです。

開催回数はまだ少ないですが、直近ではCovid-19に関する特別賞が設定されるなど、社会課題の時流に合わせたテーマが設定されているのが特徴です。2021~2022年にかけて開催されている第5回は「SDGsを意識したソーシャルビジネス」がテーマです。持続可能な17の開発目標から達成を目指す目標を選ぶ形になっており、協賛企業の商品・サービスを活用して目標を達成することも認められています。社会的課題をビジネスで解決したい方にとっては大きなチャンスとなるビジコンです。

現代社会では利益を最優先するビジネスモデルが多い傾向にありますが、同ビジコンからは環境改善・弱者支援など社会貢献度が高いビジネスモデルが多数誕生しています。

ASIAN ENTREPRENEURSHIP AWARD

ASIAN ENTREPRENEURSHIP AWARD(アジア・アントレプレナーシップ・アワード)とは、アジアの13の国・地域から選出された起業家たちが競い合うビジネスアイデアコンテストです。同アワードはアジア各国の有力企業が共催・協賛・後援を行っており、アジア圏における起業家創出によるイノベーションやビジネスの活性化を目指しています。

過去には参加起業家と協賛企業・一般参加企業のビジネスマッチングや継続的な協業も多数成立しており、世界中の起業家たちと切磋琢磨しながら新たなチャンスに巡り合える一大イベントとなっています。

ビジネス創造コンテスト

ビジネス創造コンテストは、一般社団法人品川ビジネスクラブが主催するビジネスアイデアコンテストです。社会問題を解決するためのビジネスアイデアを全国から募集し、優れたアイデアには賞状・賞金が授与されます。

実現性や市場性、新規性に優れたアイデアに対しては、国内外の投資家・インキュベーター等に提案する機会を設けたり、事業化に向けた支援を実施したりといった活動も行っています。

一般枠であれば全国誰でも気軽に応募可能であり、賞金以外にもビジネスマッチングや社会実装など魅力的な特典が充実しているため、初心者の方にはおすすめのビジコンです。

女性起業チャレンジ制度

女性起業チャレンジ大賞とは、一般社団法人日本企業アイディア実現プロジェクトが主催する、女性起業家を対象としたビジネスアイデアコンテストです。産業界・教育界から集まった有志達により、新しく起業を志す女性や新しいアイデアで事業拡大を志す女性起業家を支援することを目的としています。

グランプリ受賞者には、国内での株式会社設立を条件に、支援金200万円が支給されます。また、特別優秀賞の受賞者には会社設立の条件なく支援金50万円が支給されます。

同ビジコンからは、女性ならではの視点のビジネスが多数生み出されており、実際に多くの女性が事業をスタートしています。

40億人のためのビジネスアイデアコンテスト

40億人のためのビジネスアイデアコンテストは、世界中で40億人以上の人々が年収3,000ドル以下で生活していることから命名されたコンテストです。開発途上国の社会課題を解決するSDGsビジネスの起業家輩出プラットフォームとして、アイ・シー・ネット株式会社が2014年にスタートしました。

同コンテストには起業部門と高校生部門があり、また起業家をサポートするためのビジネススクールも運営しています。

学生向けのビジネスアイデアコンテスト

起業向けだけでなく学生向けのビジネスコンテストも多数開催されています。以下にいくつか例をご紹介します。

大学生CSVビジネスアイデアコンテスト

大学生・大学院生・高専生を対象としたアイデアコンテストです。参加企業各社からCSVに関するテーマが提示され、参加者は個人またはチームで選んだテーマに取り組みます。主催する株式会社メンバーズがメンターとしてアイデア創出をサポートするため、コンテスト経験が浅い学生も安心して参加できます。

全国高校生ビジネスプランコンテスト

SDGsの考え方に沿って地域や社会の問題を解決するビジネスプランを競うコンテストです。高校生・高専生を対象に日本経済大学が主催し、環境省や文部科学省、外務省、JICAなどが後援しています。

東北大学ビジネスアイデアコンテスト

応募対象は東北大学・大学院の学生個人か、東北大学の学生を1名以上含むチームですが、オンライン・オフラインでの観覧も受け付けています。

大商大ビジネス・アイディアコンテスト

大阪商業大学・大学院の学生が対象の、個人で競うアイデアコンテストです。過去にはコンテストで生まれたアイデアの商品化も実現しています。

帝京大学ビジネスアイデアコンテスト

帝京大学の八王子キャンパスに通う学生のみが対象です。

ビジネスアイデアコンテストの一般的な審査基準とは

ビジネスアイデアコンテストへの参加を検討している方は、どのような審査基準が設けられているのか気になる方もいるでしょう。実際には、参加するビジコンによって設定されている審査基準が異なるため、一概に説明することは難しいのが実状です。

ここでは、審査基準について知りたい方の目安となるように、多くのビジコンに共通する一般的な審査基準について列挙してみました。

  • 新規性
  • 独創性
  • 実現性
  • 市場性
  • 収益性
  • 社会(地域)貢献性
  • 顧客視点

ビジコン全体に見られる傾向としては、まず既存のビジネスの模倣ではなく新規性や独創性といったこれまでにないビジネスを作り出す姿勢がチェックされます。そのうえで市場性・集積性・貢献性など実際にビジネスとして実現できるかどうかが審査されます。

これからビジネスアイデアコンテストに参加する方や、受賞を目指したいという方は、上記の傾向に留意してビジネスアイデアを生み出してみるのも一つの戦略と言えるでしょう。

ビジネスアイデアコンテストから実際に事業化した成功例

ビジネスアイデアコンテストから実際に事業化した成功例

ビジネスアイデアコンテストは、業界の活性化や認知拡大といったイベント的な側面が強い傾向にありますが、なかには実際に事業化して成功を収めた事例も存在します。

ここではその一例として、ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト2016で初代優勝を果たした「ポケットドクター」と呼ばれるサービスについてご紹介します。

ポケットドクター

ポケットドクターとは、ジャパン・ヘルスケア・ビジネスコンテスト2016で優勝した、MRT株式会社が提供する遠隔医療相談サービスです。日本国内では急激に過疎化が進行しており、病気・怪我の際にも医療を頼れない人が多くいるという状況を打破するために考案されました。

同サービスの特徴は、医療機関の診療予約・診療・処方箋や薬の受け取りといった一連の流れをスマホ・タブレットのアプリで実現できることです。医師の診断をオンラインで受けたり、ヘルスケア機器との連携によってバイタルデータ共有を行ったりすることもできます。

ビジコンで評価された理由は、物理的・時間的な制約を受けている人々が、遠隔医療相談により助かる機会が増える点です。ビジコンから事業化されたポケットドクターは、2022年現在においても現役のサービスとして提供されています。

ビジネスアイデアコンテストで生まれた事業は成功しにくいのか

昨今、ビジネスアイデアコンテストから生まれた事業は成功しにくいと言われることがあります。現に近年ではビジネスコンテストから目立った成功事例は生まれていないのが実状です。

ビジコンでは多数の審査員によって審査が行われ、審査を通過した優秀なアイデアはビジネスプランについてのアドバイスや事業化の支援も行われています。それにも関わらず成功が難しいのは、次のような理由が考えられます。

  • 審査結果が良くても実際の市場でヒットするかは別問題であるため
  • 審査基準が現実的な市場ニーズに即していないため
  • 実際にビジネスをリリースした後の市場の反応を予測することが難しいため

ビジコンの審査基準に問題がある場合もありますが、そもそも新規ビジネスを成功させることは容易ではなく、リリース後の展開までは誰も正確に予測できないというのが妥当な見解でしょう。

ビジコンに参加してビジネスを立ち上げたいと考えている方は、このような事情を鑑みて、相応のリスクを覚悟すると同時に大きなチャレンジ精神をもって臨むことが重要となります。

まとめ

ビジネスアイデアコンテストの概要・メリット・実例についてご紹介してきました。実際にビジネスのアイデアを考えてみたくなった方や、ビジコンへ参加してみたくなった方もいるのではないでしょうか。

上質なビジネスアイデアを生み出したい場合には、弊社が提供するアイデア創出プラットフォーム「IDEA GARDEN」をぜひご活用ください。実績のあるアイデア発想法の良いところを活かした独自メソッドにより、上質なアイデアを生み出すことができる仕組みを提供しています。

アイデアの創出・蓄積・管理・育成までツールひとつで行えるため、効率的かつスムーズにビジコン用のアイデアを用意できるでしょう。ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

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