棚卸資産管理とは? その目的と効率的な進め方

 2021.05.10  株式会社システムインテグレータ

棚卸資産管理とはどのようなことかご存知でしょうか。そもそも棚卸資産とは企業が販売を目的として一時的に保管しているものの総称となります。スーパーやドラッグストアで棚卸作業という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、簡単に言ってしまうと在庫のことです。

今回は棚卸資産管理とはなにか、管理の目的とメリット、効率的な棚卸資産管理の効率的な進め方について述べることで棚卸資産管理の全体像を解説します。

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棚卸資産管理とは

棚卸資産管理とは、棚卸資産と呼ばれる複数種類の商品、材料や、貯蔵品など、貸借対照表における「資産の部」の中の「流動資産」に含まれている項目、総じて「棚卸資産」を管理することを指します。

棚卸資産とは

棚卸資産の定義を理解することが、棚卸資産管理においては重要です。棚卸資産とは以下のような項目の資産です。

  • 原材料
  • 仕掛品
  • 半製品
  • 商品
  • 製品
  • 貯蔵品

これらの項目が棚卸資産です。またこれらは貸借対照表の中の「資産の部」の中の「流動資産」に含まれている項目となります。この棚卸資産を管理することが棚卸資産管理の大きなポイントです。また棚卸資産には分類があり以下のように分類されています。

  • 商品、製品などのすぐに販売できる状態のもの
  • 仕掛品などの商品や製品の作りかけのもの
  • 原材料などの商品や製品のもととなるもの

これらは異なる基準と方法で評価されており、適切な棚卸資産の状況を管理することが経営において重要な意味を持っているのです。

棚卸資産管理の目的とメリット

棚卸資産を管理する目的は原価や利益の把握などの金銭的な関連と、滞留在庫や不良在庫の状態の把握をすることです。当然これらのことを把握することで、コストの合理化や経営戦略への反映など、様々なメリットがあります。

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棚卸資産管理を行う目的

棚卸資産管理を行う目的として、以下の2種類の項目が挙げられます。

  • 製造原価の計算や利益の把握
  • 滞留在庫や不良在庫の把握

基本的に棚卸を行うことで利益の計算を行うことが可能になることがわかっています。単純な計算ではありますが、売り上げから原価を引いたものが企業の利益です。しかし売り上げから原価を引くだけが利益を出すことにイコールとはなりません。これは、原価は仕入額ではなく、売り上げになった商品に対する仕入額であるからです。

また、滞留在庫や不良在庫を知ることは経営において必要な情報となるでしょう。不良在庫は廃棄の検討まで必要なため、純粋にマイナスな在庫でしかないからです。滞留在庫にはまだ利用方法があるため、棚卸をして把握することは必要不可欠と言えます。

適切な在庫管理によるメリット

在庫管理のメリットは経営において重要な情報を与えてくれることです。在庫管理をすることで、「本当に不足している商品がなにか」「いま、製造を行うべきものはなにか」この情報が明らかになります。余剰在庫がある製品、ニーズのない製品に対して人員を配置する必要はないため、合理的にコスト管理をすることが可能です。これは余剰在庫を保管するための管理も不要になるため、純粋にキャッシュフローを改善することにつながるでしょう。

また、経営戦略として在庫管理を続けることで重要の予測を立てることが容易になります。つまり、在庫の状況を正しく把握することで、欠品を防ぎながらも、余剰在庫を増やさない、削減しつつ適切な量だけを入荷することができると言えるでしょう。

棚卸資産管理の効率的な進め方

棚卸資産管理はどのように進めるのが効率的でしょうか。例えば、厳密にデータを管理すること、保管場所を把握すること、棚卸の日程に余裕を持たせること、また管理システムを導入することで効率的に棚卸資産管理を進めることが可能です。

厳密なデータ管理

棚卸はどうしても数字のズレが生じてしまうものです、それは人的ミスであったり伝達ミスであったり重複した製品をカウントすることなどで起こってしまいます。それらを回避するためにも、棚卸担当者の間で必ず連携を行い、厳密なデータ管理を行うことが大切です。棚卸における数値の記入や管理の方法を必ず徹底しておくことで、数字のズレをできるだけ減少させ、データ漏れ、重複カウントなどの排除をする必要があります。数え間違えることで再計算が必要になることは、膨大な時間のロスになることが考えられるため、回避できるような施策を共有してから作業に取り掛かるのが大切です。

保管場所を把握する

資産の保管場所を理解しているのかを把握していることは重要です。これによって、棚卸の前段階で、所在情報をマッピングすることが可能であるため、的確に棚卸における資産の把握が可能となります。また、そこに資産が存在していなかった場合に、不明資産などとして管理の対象になるからです。
また、RFIDというRFタグと呼ばれるデータを非接触で読み書きできるシステムが存在しています。簡単な例で言うとバーコードをスキャンするのと同じような感覚です。しかしバーコードは必ず1回ずつのスキャニングが必要ですが、RFIDを利用することで、電波の届く範囲を一斉にスキャンできることから、資産の管理を行う際においては合理的で効率的な方法であることが言えるでしょう。
もちろんこの場合でも保管場所を把握していることが前提となりますので、そこに資産がなければ不明資産としてカウントすることになります。

日程に余裕を持たせる

棚卸を行う際に注意しなければならないのが、その日程です。特に棚卸は期末にまとめて行われることが多いことから、膨大な作業を行わなくてはならず混乱やミスが発生しやすいことがわかっています。カウント方法が人海戦術の場合は特に混乱やミスが起こりやすく、ミスを減らすためにRFIDなどを効果的に利用することを検討しましょう。
また、期末にまとめて棚卸を行った時に数字が合わないなどの問題が発生することがあり、この場合は、時間的に対応が難しくなります。
棚卸による資産管理はできるだけ普段から在庫確認を行い、余裕を持った日程で取り組むことが重要です。特に企業の業務や規模に合わせて、決算などの直前には行わず、前もって計画的に行う必要があります。日々の管理が厳密なデータの管理に直結するため、できるだけ余裕を持って棚卸を行うように気をつけましょう。

管理システムの導入

エクセルや紙による管理では手動入力になり得るため、膨大な手作業になります。最もミスが多いのは人的ミスです。このミスは正確な数値を管理できるか問われた時に確実であるとは言い切れません。そのため管理システムを導入するのが良いでしょう。在庫管理システムを導入すれば作業は大幅に合理化されます。

もしくは「GRANDIT」のような統合的ERPシステムを導入することです。GRANDITは機能の中に、調達・在庫のような機能を搭載しており、特徴として棚卸・在庫調整の機能において循環棚卸、指定棚卸に対応しています。GRANDITはERPであるため、様々な管理機能を備えており、資産をめぐる業務全体を一元的・統一的に処理することが可能です。もちろん紙やエクセルを利用する必要はなく、Web-ERPであるため、タブレットなどの端末にも対応していることから、紙媒体やエクセルなどの管理手法から解放されることができ、より精度の高い棚卸作業を行うことが可能でしょう。

まとめ

棚卸資産管理の基本的な内容から企業が行うことの目的、取り組むことのメリット、効率的な棚卸資産管理の進め方について解説しました。また、棚卸を行う際には人的なミスを防ぐためにも効率的に行える電子的な管理方法の利用を検討することが大切ですが、人的手段の場合には適切な期間を設けて棚卸を行いましょう。

また、完全統合型Web-ERPであるGRANDITは、調達・在庫に関する管理機能を搭載していることから、棚卸に関しても効果的な管理をもたらしてくれます。それ以外にもGRANDITは資産全般や生産向上にも役に立つソリューションのため、棚卸を行うだけではなく、企業の発展のために効果的に利用するのが良いでしょう。

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