ERPシステムにおける BOM管理とは?

 2018.04.03  株式会社システムインテグレータ

製造業では、製品を製造する際に必要な部品や原材料などの構成情報を部品管理しています。部品構成管理はBOM(Bill of Materials)管理と呼ばれたり、プロセス製造業ではレシピ管理と呼ばれたりします。多品種少量生産の製造形態が多くなった昨今では、手動での部品構成管理がますます困難であり、システム化が必要不可欠となっております。

今回は、部品構成管理の概要やBOMの種類、ERPなどシステムによる管理方法についてご紹介します。

ERPのキホン~ERPの基礎からDXへの活用まで徹底解説~

部品構成管理(BOM管理)

製造に必要となるBOMは設計部門でつくられ、生産部門に引き渡されて情報の肉付けを行います。生産部門では引渡されたBOMを生産管理に必要な形に編集し、生産計画に使用します。また、購買部門でもBOMに基づき、部品や原材料の調達を行います。近年ではメンテナンスもBOMを使用して行われるケースがあり、BOMは、複数の部門やさまざまな場面で使用される極めて重要な情報となっています。

BOMの種類

まず最初にBOMには、いくつかの種類があります。使用する部門・場面によって、BOMは以下のように概ね分類されます。

E-BOM(設計BOM) 

  開発・設計段階での部品構成情報をE-BOM(設計BOM)と言います。部品構成情報に併せて部品の仕様、図面などの設計情報、技術情報などを管理します。このE-BOMは、CAD(Computer- Assisted Drawing=製図システム)、PDM(Product Data Management=製品データ管理)PLM(Product Life cycle Management=製品ライフサイクル管理)などのシステムと組み合わせて管理、運用されることが多いです。

M-BOM(製造BOM

  製造する際に必要な部品や原材料の情報および製造工程(内製・外製)とその工程順序情報を管理し、生産計画や生産指示、調達、工程管理に使用します。

■購買BOM

失敗から学ぶERP導入プロジェクトの進め方
新規CTA

 購買部門で調達用に使用するBOMです。発注業務に必要な発注単位・数量や仕入先ごとの発注価格、代替品の情報などを管理します。M-BOMに購買用の情報を登録してしまうこともあります。 

■サービス・メンテBOM(サポートBOM) 

 製品サービスや保守メンテナンスに利用します。メンテナンスに必要な部品の情報管理やメンテナンス実績に基づいたその時点のBOM管理を行います。

BOMのシステム管理方法

BOMの種類は使用部門や目的によって、異なりますが、ERP生産管理システムでは一般的にストラクチャ型とサマリ型で管理されます。 

■ストラクチャ型BOM

ストラクチャ型BOMは、製品が完成するまでの情報を階層構造で管理します。部品構成情報に工程情報や工程順序なども併せて管理し、予定工数や製造リードタイムの計算を行う仕組みです。生産管理でMRPを使用する場合には、このような情報が設定されたストラクチャBOMが必要になります。
 ERPシステムにおける BOM管理とは?-1

■サマリ型BOM

サマリ型BOMは、ストラクチャ型BOMに対して、製造に必要な部品や原材料を一覧形式(フラット階層)でまとめた部品表です。仕様変更、追加に柔軟に対応できる管理方法です。試作品や一品モノなど設計と並行して(仕様変更や追加が多い)生産が進むような形態に適したBOM管理といえます。

通常、E-BOMはサマリ型BOMで作成され、それが調達や生産段階でストラクチャ型のM-BOMに編成されていきます。
 ERPシステムにおける BOM管理とは?-2

 ■ハイブリッドBOM

ハイブリッド型は、ストラクチャ型とサマリ型を組合わせたBOM管理の方法です。BTO(Build to Order)のような特注品を製造する形態に適しており、中間品までは標準仕様で製造し、最終製品は顧客の仕様基づいて製造する場合に使用しやすいBOM管理です。

 ERPシステムにおける BOM管理とは?-3

■パラメトリックBOM

パラメトリック型は、寸法違いやオプション等の多くのバリエーションを持つシリーズ製品のBOMを管理するのに適しています。このような仕様の製品を製造する場合、パターンが多岐におよび、製品バリエーションを考慮したパターン分のBOMを登録・管理する必要がありますが、パラメトリックBOMは、顧客の仕様情報に基づいてBOMを自動生成させる方法なので、BOMに関するメンテナンスの効率化が図れます。
 ERPシステムにおける BOM管理とは?-4
[RELATED_POSTS]

バックオフィス業務改善ならシステムインテグレータ

多くの企業で人手不足が大きな課題となっていますが、バックオフィス業務にはいまだに属人化した作業やアナログ業務が残っており、企業の成長と発展を阻む大きな壁となっています。
バックオフィスの業務プロセスを最適化することで、コスト削減や属人化の防止だけでなく企業全体の生産性向上にもつながります。
当社はERPをはじめとする情報システムの豊富な導入実績をもとに、お客様一人ひとりのニーズに合わせた最適な改善策を提案します。業務の洗い出しや問題点の整理など、導入前の課題整理からお手伝いさせていただきます。
バックオフィス業務にお悩みをお持ちの方は、お気軽に株式会社システムインテグレータまでご連絡ください。

まとめ

BOMは設計、製造、調達、メンテナンスにまで幅広く利用されるため、自社の企業戦略や製造形態に適したBOM管理が行える仕組みを選択する必要があります。特に海外生産や海外市場への販売展開を行う製造業ではサプライチェーンが海外まで広がっており、グループ全体での部品管理のあり方についても検討が必要です。

生産管理に強いERP GRANDITではストラクチャ型、サマリ型、ハイブリッド型、パラメトリック型のすべて対応したBOM管理を構築できます。ご検討の際には、ぜひシステムインテグレータにお問合せください。

なぜ生産現場にモノづくりDXが必要なのか

RELATED POST関連記事


RECENT POST「ERP導入」の最新記事


ERP導入

奉行シリーズのERP製品特徴を徹底分析

ERP導入

ERPの分析機能と主な特徴を分かりやすく解説

ERP導入

ERPと管理会計

ERP導入

SAP ERPとは?一般的なERPと特徴やメリット・デメリットを比較

ERPシステムにおける BOM管理とは?

GRANDIT TOPへ

国産ERPパッケージ比較表 2024年最新版

RANKING人気資料ランキング

RECENT POST 最新記事

RANKING人気記事ランキング