国産ERPパッケージ10選を比較!種類別に特徴・価格を解説

 2024.01.31  株式会社システムインテグレータ

2023年12月に株式会社矢野経済研究所が発表した情報によると、2022年のERPパッケージライセンス市場は、エンドユーザ渡し価格ベースで1,406億4,000万円、前年比10.9%増となりました。新型コロナウイルスの影響で先送りされていた案件が好調に走り始め、2022年は前年の伸び率を上回る成長となりました。

ERPのキホン~ERPの基礎からDXへの活用まで徹底解説~

2023年以降のERPパッケージ市場

2023年以降のERPパッケージ市場についても、今後継続して6~7%程度の成長が続くと予測しています。ERP導入やリプレイスにおいてDXを意識する企業が増えており、戦略的な投資への意欲が高まっているといえます。

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出展:株式会社矢野経済研究所:ERP市場動向に関する調査を実施(2023年)

さて今回は、日本独自の商習慣や法改正への対応など、国内企業が抱える経営課題を解決できる国産ERPパッケージ10製品を比較してみました。各製品の特徴、業務領域(モジュール範囲)、価格のほか、各社のクラウド最新動向についても触れております。2023年の最新調査情報をお届けしていますので、ERP導入検討時の参考にしてください。

国産ERPパッケージ10製品

  • GRANDIT
  • OBIC7
  • GLOVIA iZ
  • ProActive C4
  • HUE
  • InfiniOne
  • EXPLANNER/Z
  • Biz∫
  • 奉行VERP
  • GRANDIT miraimil
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国産ERPパッケージ10選を比較

GRANDIT

コンソーシアム企業の叡智から生まれた“進化系”ERP

国内の基幹業務システムやERP導入に実績のあるシステム会社13社が集結し、コンソーシアム(共同事業)方式で開発されたERP製品。そのコンセプトは「叡智の反映」であり、複数のシステム会社がそれぞれの技術やノウハウを集結したことで、日本企業の様々な商習慣に特化した、柔軟な国産ERPが誕生しました。

2004年7月に「次世代Web-ERP」としてローンチし、Web環境で使えるERPとして時代を牽引した実績があります。1,400社以上の導入実績があり、主にグループ会社なども管理したい大企業から中堅企業に適しています。

日本の商習慣に適合するERPとして、国内企業が求める課題にも対応しやすく、また、多言語・多通貨対応によって海外事業を展開するグローバル企業にも対応できます。数ある国産ERP製品の中で、最も柔軟かつ洗練された製品と言えるでしょう。

提供モジュールは、経理、債権、債務、販売、調達・在庫、製造、人事、給与、資産管理、経費の10モジュールで、オンプレミスおよびクラウドで導入することができます。また、企業の業態に合わせた生産管理、工事管理、プロジェクト管理などのアドオンモジュール提供のほか、EコマースやEDIによる外部取引先と連携するための機能も実装されています。

パッケージ価格は販売、調達・在庫、債権、債務、経理の構成で約650万円からとなっています。

GRANDIT製品ページ

OBIC7

自社開発、直接販売による提供

OBIC7は、1997年のリリース以来、累計導入実績数約27,700社を誇り、国産ERP最大手の製品です。

提供モジュールは、会計、人事、給与、就業、販売、生産、財務の7つで、オンプレミスおよびクラウド形態となっており、リリース当初から直販のみで販売されています。新バージョンからWebベースのUIになりましたが、アーキテクチャや外部接続には若干のold感があるかもしれません。

ただし、同製品が幅広く受け入れられている理由としては、シンプルなシステム設計と過去のOBIC7事例をベースとしたソリューション提供です。ERP選定の際は、システムの「柔軟さ」に着目している企業が多いと言えます。

パッケージ価格は、最少構成で約500万円からとなっています。

OBIC7製品ページ

GLOVIA iZ

業種・業務形態や規模に合わせた、4つのGLOVIA製品ラインナップから選択

社内の情報統合とコミュニケーションを促進し、経営変革のきっかけを与える「GLOVIA iZ」のほか、グループ経営特有の課題である、情報統合に焦点を充てた「GLOVIA SUMMIT」。会計業務の改革や、人事・総務業務の省力化によって企業成長を支援する「GLOVIA smart」。販売管理、会計管理を中心として中小企業向けの「GLOVIA きらら」があります。

提供モジュールは、会計、人事・給与、就業、販売、生産、経営管理、貿易の7つで、利用形態はオンプレミス、クラウドから選択できます。2020年に就業管理モジュールをリリースしたことに伴い、人事領域を強化しているようです。

パッケージ価格はGLOVIA iZの会計で約500万円からとなっています。

GLOVIA iZ製品ページ

ProActive C4

超寿命クラウドERP

国産初のERPであるProActiveがSaaS版としてアーキテクチャを一新し、2021年11月よりProActive C4としてローンチ。ProActive C4のコンセプトは4つのCにあり、「Customer」(寄り添う:操作性、使いやすさ、「Connectivity」(つながる:他サービスとの柔軟な連携)、「Cross-border」(広がる:グローバル対応)、「Collaboration」(共創する:価値向上につながるサービスの共創)を表しています。

超寿命ERPとして利用中のバージョンのサポートを継続提供しており、サポート期限終了という仕組みを設けていない点が特徴です。

提供モジュールは財務会計、管理会計、経費、資金管理、連結、販売、購買在庫、債権、債務、手形管理、人事、給与、人材マネジメント、個人番号管理、目標管理、勤怠、固定資産、リース資産の18モジュールになります。

SaaS版のため利用形態はクラウド一択で、料金もサブスクリプション型となります。また、旧システムであるProActive E2ではクライアントサーバ形式で提供しており、現在のWeb形式に移行した後も、クライアントサーバライクな操作性を実現しています。

価格は月額費用となっており、会計・人事給与で約15万円/月からとなっています。

ProActive C4製品ページ

HUE

大企業向けノンカスタマイズERP

HUEの製品コンセプトは「ノンカスタマイズ」です。同製品は、導入企業で発生した機能ギャップを、業種・業態特有の要件や商習慣を汎用的な機能にして標準として組み込んでいます。

HUEは元々、人事・給与システムであった「COMPANY」から提供が始まり、会計、販売系へとラインナップを広げてきました。人事・給与、会計はカスタマイズが少ない業務領域ですが、販売系はノンカスタマイズといっても、すべての企業がカスタマイズ不要というわけではありません。当然ながら、自社業務が製品にフィットしなければ、アドオン開発を行う必要があります。あるいは、既存業務をERPに合わせるという作業が必要になるため、場合によっては、部門や会社全体の業務手順やルールを変更しなければいけないことにもなりますので、より慎重にERPとしての選定を行う必要があります。

提供モジュールは、販売、購買・調達、原価、プロジェクト管理、財務会計、管理会計、資金管理、固定資産管理、債権債務、経費精算、不動産管理の11モジュールで、利用形態はクラウドが基本のようです。

パッケージ価格は数千万円からの提供のようです。

HUE製品ページ

InfiniOne

変化対応型ERPパッケージ

前身である「NewRRR」の提供から数えて20年以上の実績があり、約1,200社の導入実績があります。食品、建材、金属、機械をはじめとする業界、製造から、商社、卸、小売、サービスまで多様な業種に対応しています。

リアルタイム経営を実現するカスタマイズ型国内商習慣対応ERPを製品コンセプトとしており、提供モジュールは販売、購買、在庫、債権債務、貿易、財務会計、原価管理、生産管理の8モジュールになります。

オンプレミス、クラウドから利用形態が選べ、販売形態は直販および50社のパートナーから提供されています。

パッケージ価格は非公開です。

InfiniOne製品ページ

EXPLANNER/Z

45年以上の歴史と3万本以上の導入実績を持つEXPLANNERシリーズ

製品コンセプトは経営情報活用による企業成長。変化に対応しグループ企業全体の最適化を実現します。

EXPLANNER/Z、Sシリーズのほか、「建設業向け」「自動車部品製造業向け」「食品製造業向け」のパッケージを提供。クラス呼出方式を採用しており、処理機能増加による影響度の局所化を実現。オンプレミス、クラウドの利用形態から選択することが出来ますが、オンプレミスの場合に限り、開発フレームワークの提供が可能です。

提供モジュールは、販売、債権、債務、貿易、財務会計、原価管理、生産管理の7モジュールで構成されています。企業固有で求められる機能については、アドオンモジュールではなく業務別コンポーネントとして、プログラム部品を組み合わせるように提供しています。

パッケージ価格は最小構成で約500万円からとなっています。

EXPLANNER/Z製品ページ

Biz∫

サービス指向型アーキテクチャ(SOA)を取り入れたintra-mart基盤を採用

複数会社利用を前提として開発されたERP。システムインフラをグループで共用しながら、会社単位に会計年度を設定し、個別に運用する形態に対応します。

intra-mart基盤を採用しており、大企業での大規模なトランザクション処理に耐えるアーキテクチャとして開発しているほか、ノンコーディングのアジャイル開発からプログラミング開発までニーズに合わせた開発ができることも特徴です。

提供モジュールは、財務会計、管理会計、人事、給与、販売、購買、在庫、経費の8モジュールですが、全モジュール利用を前提としておらず、「一般会計」のみ、「債権管理」のみ、「購買」のみといった、業務単位で導入することが可能な疎結合型ERPパッケージです。最小単位でモジュールを導入し、業務領域を拡大していく企業に向いているといえます。

オンプレミス、クラウドから利用形態を選択可能で、業種・業務別テンプレートも複数用意されています。

パッケージ価格は、販売で約500万円からとなっています。

Biz∫製品ページ

奉行VERP

最も多くの導入実績と知名度を誇るERP

テレビCMでも有名な奉行シリーズは、累計導入実績69万社を誇る中小企業向けERPです。パッケージ製品ラインナップはERP業界No.1であり、自社で必要な業務から部分的・段階的に導入が可能です。外部連携用のデータ連携アダプタ機能と自動実行処理機能も搭載しています。

提供モジュールは、会計、販売、人事労務の3つですが、12種の個別業務パッケージと12種の従業員向け働き方改革テンプレートが提供可能です。

販売形態はパートナー企業からの提供のみで、直販は行っておりません。なお、パートナー企業数は約3,000社となります。

クラウド化を推進しており、2022年11月にはSaaS型ERP「奉行V ERPクラウド」を販売開始。外部サービスとのAPI 連携によって、他社のSaaS製品やパートナーソリューションなどと連携します。

価格は年額費用となっており、会計で約168万円/年からとなっています。

奉行ソリューションページ

GRANDIT miraimil

商社・卸売業・IT企業・サービス業に特化したSaaS ERP

「便利×手軽×中小企業向け」をコンセプトに、スピード経営や業務効率化、テレワークに対応したSaaS ERP。統合型Web-ERPである「GRANDIT」がベースとなっており、販売管理業務からバックオフィス業務までシステムが統合され、データの一元管理が可能。いわゆるSaaS製品を寄せ集めた使い勝手の悪い“つぎはぎ”のERPではなく、モジュール間の密結合を実現した使いやすいERPとなっています。

モジュール範囲は、経理、債権、債務、販売、調達・在庫、人事、給与、資産管理、経費の9モジュールで、クラウド一択となります。商社・卸売業・IT・情報サービス業の業態に要するプロジェクト原価管理、継続契約などのアドオンモジュール提供のほか、承認ワークフロー、BI、EDI、スマートデバイス対応など、基幹業務の枠を超えた機能を標準装備しています。

トライアル環境も無償提供しており、操作を体験しながら、実際の業務へのフィット感を確かめられます。

価格は月額費用となっており、販売、調達・在庫、債権、債務、経理の構成で約45万円/月からとなっています。

GRANDIT miraimil製品ページ

バックオフィス業務改善ならシステムインテグレータ

多くの企業で人手不足が大きな課題となっていますが、バックオフィス業務にはいまだに属人化した作業やアナログ業務が残っており、企業の成長と発展を阻む大きな壁となっています。
バックオフィスの業務プロセスを最適化することで、コスト削減や属人化の防止だけでなく企業全体の生産性向上にもつながります。
当社はERPをはじめとする情報システムの豊富な導入実績をもとに、お客様一人ひとりのニーズに合わせた最適な改善策を提案します。業務の洗い出しや問題点の整理など、導入前の課題整理からお手伝いさせていただきます。
バックオフィス業務にお悩みをお持ちの方は、お気軽に株式会社システムインテグレータまでご連絡ください。

まとめ

欧米で開発されたERPとは異なり、国産ERPは日本の商習慣にフィットするために作られた製品です。日本国内の法改正対応にいち早く対応し、日本で働く人達にとって使いやすい仕様としている点も強みです。日本国内でERP導入を検討される際は、まず国産ERPの選定から始めてみてはいかがでしょうか。

また、本ブログでご紹介した国産ERPパッケージ10製品を、「市場シェア」「対応業務領域」「導入社数」「機能特徴」「カスタマイズの容易度」などから、さらに細かく比較・分析したものが下部に表示されている無料ダウンロード資料になります。この機会に是非ご覧ください。

※国産ERPパッケージ製品の情報は当社調べのもと、2024年1月時点の情報を記載したものです。

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